まっすぐ進めない!?パラアスリートのプレーを車いすで体験する特別展「やさしくないミュージアム」
取材会に登場した株式会社WOWOWの太田慎也チーフプロデューサーは、イベントのコンセプトを「世界中のパラアスリートと接してきて、彼らの考え方に刺激を受けて多くのことを教えてもらいました。その中で一番大きなものが、障害というのは社会側の問題であるということです。人にはいろんな個性があって、あまり良くない個性もたくさんある。そういうものを棚に上げて目が見えない人や足を切断してしまった人を障害者と呼んでいい、挙句応援してあげなきゃいけないと思っている人がいたとしたら、そんな社会を変えなければいけないと強く感じています。今回のやさしくないミュージアムを体験いただいたうえで、自分はどうなんだろう、社会にとって自分のできることは何だろうと感じていただきたい」と訴えた。
長野パラリンピック・トリノパラリンピックアルペンスキー日本代表の野島弘氏は「パラスポーツを体験したことのない人に競技の楽しさを伝えるのはなかなか難しい。それをちょっと違う視点から、7つの競技を『なるほど、こういう伝え方があるのか』と唸らされるような体験型の展示になっています。体験することによって、今行われているパラリンピックがより楽しく見られますし、アスリートたちが創意工夫して競技していることがよく分かる」。
シドニーパラリンピック車いすバスケットボール日本代表キャプテンの根木慎志氏は「困難というのはとかくネガティブにとらえられますが、皆さんもこの展示を体験するとワクワクして楽しいんです。そもそも困難って何だろうと考えると、難しいことがあるとワクワクする、実はそういうことだと思います。困難って何なのか、やさしさって何なのかをここで感じて、それぞれが社会を変えていくものを作ってもらえたら」とメッセージを寄せ、大会期間中、藍色になって応援している「くまモン」も登場して華を添えた。
パラアスリートの超絶プレーを体験できる特別展「やさしくないミュージアム」は豊洲エリアの「WHO I AM HOUSE」にて29日まで。