女子アトム級ワールドGPに出場の平田樹「今回はどんなフィニッシュでも自分をほめようと思っています」【9・3 ONE】

 ONE Championshipが9月3日にシンガポール・インドアスタジムで初の女子選手のみの大会となる「ONE: EMPOWER」を開催する。当初は5月28日に開催の予定だったのだが、シンガポールで新型コロナウイルスによる感染症が拡大したため延期となっていた。同大会では王者・アンジェラ・リーへの挑戦権をかけた「女子アトム級ワールドGP」の準々決勝が行われ、日本からは平田樹(フリー)が出場。アリース・アンダーソン(米国)と対戦する。大会を直前に控えた平田に話を聞いた。

大会前にリモートで会見を行う平田樹(©ONE Championship)

ONE初の女子選手のみの大会「ONE: EMPOWER」が9月3日に開催

 平田はインタビューの前日、8月29日に現地入り。PCR検査で陰性の結果が出たことから「セコンドとの部屋移動もOK。今日からジムで練習します」とまずはホッと一息。もちろんジムというのはホテル内にあるもので、ホテル外に出ることはできない。ホテル内の移動も「関係者の方が一緒についてきて移動するという感じ」と、まだまだコロナについては油断ができない状況ではあるが平田は「でもこの時期に海外で試合ができることは凄いことだなと思いました」と笑顔を見せた。

 

 まずは約3カ月の延期の末についに試合が行われます。今の率直な気持ちを。
「練習の時間が長くなった分、良かったなと思うんですが、本当に長かった。2月の試合が終わってからずっと“試合だよ”と言われ続けていたので、気持ちをオフにする場面がなかなかなかったなと思います」

 ずっとコンディションをキープし続けていたとのこと。
「2月の試合が終わって、その2日後にトーナメントが決まったので(笑)。最初は5月ということだったので、すぐに練習して減量してという感じでした。5月から延期になった時も、当初は“7月になるかも”という感じだったので、ずっと節制していました」

 試合後から切り替えることもなく、すぐに次の試合のための準備に突入。緊張感を持続せざるを得ない状況でメンタル面での疲弊などはなかった?
「今回は節制してコンディションをキープしていた分、練習中のコンディションも良かったし、気持ち的にも集中できていたので大きいケガもなかった。結果的には良かったと思っています」

 これまで試合前のメンタルというのは?
「毎回緊張はしていなくて、楽しみのほうが大きいです。さらに、今回はこの時期に海外に来て試合をするということで、いつもよりモチベーションが上がっています。本当に楽しんで試合をするだけだなと思っています」

 これまでも「怖い」といったことはなかった?
「そういうことはあまり考えないです」

 では、この3カ月についてはプラスでしかない?
「練習が多くできるということだけでも良かったかなと思います。2月の試合があまり良くなかったので、試合の期間が空いたことでいい内容の練習をたくさんすることができて良かったなと思います」

 

 この2月の試合というのは「Road to ONE:4th Young Guns」での中村未来戦のこと。平田は首投げからの袈裟固めでテイクダウンを奪い、パウンドでTKO勝ちを収め、プロ戦績を4戦4勝とした。4勝全てが一本とTKO勝ちなのだが、中村に打撃で押される場面もあり、平田としては不満の残る内容だった。

 

 納得のできない試合をしてしまった時は早く試合をして記憶を塗り替えたいという考え方もあるのでは?
「私はまだ試合数も少ないし、ここでまたすぐに試合をしたいというより、改善するところが見つかった試合だったし、勝ってもうれしくない勝ちもあるということが分かった試合でしたので、そういう考え方にはなりませんでした。そういう感じだったので“次にONEの本戦でどうするかだな”と思っていたときに、こういう大きなグランプリが決まったので、そこでしっかり勝って優勝するしかないなと思いました」

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