女子アトム級ワールドGPに出場の平田樹「今回はどんなフィニッシュでも自分をほめようと思っています」【9・3 ONE】
「しんどい時はサポートしてくれている人の声とか存在を思い出します」
柔道時代からの師、またはそれに限らず誰かの言葉で影響を受けた言葉や自分の中に取り入れている言葉などはありますか?
「一番は家族からの言葉です。お父さんからはいつも“やりすぎない”という言葉を言われています。練習もそうだし、何についてもやりすぎると面白くないから、自分がやりたいとき、楽しい時にやったほうがいいというのが小さいころからの言葉。こういう試合の前でも“やりすぎないようにね”とか“今日は1日休んだほうがいい”とか“どれだけ追い込んでいるときでも休むのも大事だから”とか言ってくれるんです。やっぱり“やりすぎない”という言葉が自分の中で一番大きいかなと思います。すごい練習熱心で、一日中練習しているという人もめっちゃいるんですけど、自分は短期集中ですぐ終わらせるというのが一番ケガもしないし集中力もある。やっぱりモチベーションが高い時に練習することが、一番自分の中でいいなと思います。その言葉のお陰で休んでいる自分に罪悪感を感じることがないんです。それに試合前だと、試合のことしか見えなくなって、周りにもピリピリモードが伝わるということもあるので、そういうことをなくすためにも頭をクリーンにして、練習以外にもいろいろなことを考えられるように休む時間も大事かなと思います」
では苦しくなった時に頑張れる言葉といったものは?
「しんどい時はサポートしてくれている人の声とか、存在を思い出す、というか頭の中にぱっと出てくるんです。この期間にどれくらいの人が自分をサポートしてくれていたのかと思うと、自分一人の気持ちでは負けられないなって思います。言葉というより家族とかサポートしてくれる人の存在だと思います」
今回の試合が今年2戦目。コロナがなければもっと試合がしたかった?
「今の時期で3試合くらいはしていたと思います。それが理想だったんですけど。この時期だから仕方ないなって感じですね」
コロナについてはもういろいろ飲み込んでいる?
「もう何とも思っていないです」
昨年春からのコロナ禍でスポーツ界では東京五輪が1年延期となり、引退したベテラン選手もいました。ベテランになってからの1年2年というのは非常に大きな意味を持ちます。では22歳の平田選手にとってはコロナ禍での1年半はどういうものでしたか?
「MMAにたくさん取り組むことができたので、成長につながったかなと思っています。周りにはマイナスに考える人は多かった気はしますが、自分は逆にプラスに考えました。試合がない期間、練習することができる。きつい練習は嫌ですけど、技術面ではいっぱい練習ができたので良かったなと思います。こんなに長い間、練習だけに没頭できるのは今までなかったですし、これからもないと思いますし。それに結局こうやってグランプリも開催されますので」
では最後にアンダーソン戦について一言。
「グラウンドで一本で勝ちたいと思っています」
同大会は日本ではABEMAで当日の午後8時30分から放送。メインでは王者ション・ジンナン(中国)にミッシェル・ニコリニ(ブラジル)が挑戦する「ストロー級 世界タイトルマッチ」が行われる。また日本の山口芽生も「アトム級 世界グランプリ 交替試合」に出場し、ジュリー・メザバルバ(ブラジル)と対戦する。 (本紙・本吉英人)