あなたの枕、古くなったらどう処分する?「睡眠の日」に考えたい「SDGsと寝具」の話
―同製品は、開発段階から再生されることを想定し、素材の選択や接着剤を使用しない構造を採用。製造工場にも100%再生できるゼロウェイスト設備を設置。基本的にD2C販売のため顧客とも直接つながっており、回収する態勢も万全。
「現時点での一番の課題は、まだユーザーにピローがリサイクルできることがあまり伝わっていないので、もっと周知させたいということ。いくら設備やシステムを整えても、回収する量が少ないと再生素材が追い付かなくなるので。現状、10数%ほどの再生素材を使用していますが、最終的には100%再生素材で製造することを目指しています。私たちの取り組みを通して、枕は本来リサイクルできるんだということが広まり、同じようにリサイクルに取り組むことが増え、寝具のリサイクルが当たり前になればいいなと思います。
また、回収やリサイクルをすると普通に製造するよりコストや手間がかかるので、価格に影響を及ぼさないよう、どう帳尻を合わせていくか。ビジネスとしても成り立つコストバランスを常に考えていく必要があります。他にも、枕カバーやシーツなども水を大量に使用しない製造に取り組む繊維メーカーのものを使わせていただくなど、同じ方向を見ている企業とつながることも意識しています。そういった企業とお互いに存在感を発揮していくことができれば、サステナブルを前提としたモノづくりが当たり前になっていくのではないかと期待しています」
―環境負荷を低減する枕を使っている…と思うと、より安眠できそう。
「そうですね(笑)。もともと私たちは、睡眠と脳や体の健康を研究しており、そのノウハウに基づいて寝具を開発しています。目指すところは、より豊かで健康的な人生を送るための、良い睡眠作り。そのためにも、生涯にわたって持続可能な、良い眠りの環境を提供し続けたいと思っています」