結局、やっぱり愛と正義だよね!秋田を舞台に繰り広げられるSF映画『光を追いかけて』【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 この1週間も小室さんと眞子さまの結婚が発表されたり、緊急事態宣言が解除されたり、キングオブコントが近年まれにみる面白さだったりといろいろなことがありました。

 それを横目に脚本を書く毎日なんですが、今回は結構苦戦。お絵描きに逃避する時間が続き、なかなか面白いイラストが仕上がっています。

 いや、しっかり仕事しろ、俺。

 ということで今週も始めましょう。

黒田勇樹

「UFOを見たかもしれない」

 そんなところから始まる学生たちと大人たちの群像劇。

 ジョーズなら「鮫」、ゾンビなら「ゾンビ」

 この映画なら「謎の光」

“モチーフ”や“テーマ”と、呼ばれるものは多岐多様ですが「それを、面白く見せるため」には、必ず、”愛”とか”正義”とか”勇気”とか”希望”とか”運命”とか”宿命”とか”夢”とか”青春”とか“謎”、皆が大好きな”概念”が、裏で走っている必要があって、どうあれ、そういうものに人間は感動するんです。今年はキングオブコントすらその風潮があったと思いませんか?

 アンパンマンから脈々と受け継がれているこのロジック。

 概念てのは、うーん、「哲学的に突き詰めて“その言葉でしか表せなくなったもの”」なんですが、ボーイミーツガールという設定にSFをかけ合わせて、さらには秋田の景色の美しさで“郷土への愛”を走らせられてしまったから、噛み応え満点。

”愛”とか”正義”とか”勇気”とか”希望”とか”運命”とか”宿命”とか”夢”とか”青春”とか“謎”、全部出てきます!

 そして、その先に駆け抜ける仕掛けが凄い!

「映さない」

「見ている少年少女の顔」で、「見ているモノを想像させる」

 その想像した何かが“その人”

 あの瞬間に、観客「それぞれの人生」が映画館に“渦巻く瞬間”こそが“映画”。

 伝えたいことを、押し付けてくるでもなく、それなのに強烈に伝わってくる。

 奇麗な景色と、人間関係、そしてUFOというモチーフ。

 これを愛と正義と青春の話に落とし込む美しさ、ぜひ劇場の大画面で観ていただきたい作品でした。

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23