生活者の分別意識の高まりを企業は商品の進化でサポート
また、サントリー食品インターナショナル株式会社では、今年の8月に糊会社と共同で新たにはがしやすく糊残りが少ない糊を開発した。この糊をラベルに使うことで、分別時のストレス軽減だけでなく、PETボトルをリサイクルする工程でも品質を確保する一助になるという。伊右衛門を皮切りに9月から順次既存商品に導入され、2022年末にはサントリーの飲料ボトルは、すべてはがしやすく糊残りしないボトルになる計画だ。
サントリーの担当者によると、「弊社は環境面を考慮し、ラベルにもリサイクルPET素材を使用しています。しかしそのことでラベルがはがしづらくなっていました。そこで、はがしにくいというお客様の声にお応えすべく、2019年から開発を始め、ようやく、はがしやすいだけでなく糊残りが少ない糊を開発できました。ラベルはがしのストレスを低減することでお客様の分別がより進むことを望んでいます」という。
こうした企業の些細な取り組みはクローズアップされることは少ないかもしれない。しかし生活者が分別して捨てる習慣が浸透し、企業はその行動をより推進するためにサポートする、お互いが環境問題に向けて日進月歩することが、サステナブルな社会の実現への一番の近道となるのではないか。