引退の横綱・白鵬が批判を浴び続けた晩年の取り口の真相明かす

 

 大相撲の横綱・白鵬(36)=本名・白鵬翔、モンゴル出身、宮城野部屋=が10月1日、引退会見を行った。

 白鵬の引退については秋場所千秋楽の翌日の9月27日に「引退の意向を固めた」との報道が流れ、30日には日本相撲協会が理事会を開き、引退と年寄「間垣」の襲名を承認した。年寄襲名の条件として、さまざまな言動で物議を醸した経緯を踏まえ、相撲界の伝統を守り親方業務にあたるという誓約書提出を求める異例の形となった。29日に行われた年寄資格審査委員会では、無条件での年寄襲名に反対する意見が噴出。協会は30日に白鵬を呼び、自身の署名が入った誓約書を提出させた上で年寄襲名を承認した。

 白鵬は会見で「右膝が言うことを聞かなくなった」と引退の理由を語った。そして「相撲が大好きで幸せ者だと思う。全部出し切った。活躍の場を与えてくれた日本相撲協会には感謝している」と感謝の言葉を述べた。また批判を浴び続けた晩年の荒っぽい取り口については「けがをしてから理想の相撲が取れなくなり、鬼になって勝つのが横綱相撲だと考えていた。(相撲を)直そうとも思ったが、最終的には期待に応えられなかったかもしれない」と明かした。

 白鵬は16歳の平成13年春場所で初土俵を踏み、16年初場所で新十両、同年夏場所で新入幕とスピード出世。18年春場所後に大関へ昇進すると、19年夏場所後に横綱昇進を果たした。恵まれた体格と卓越した相撲センスを生かした安定感抜群の四つ相撲を武器に、22年に史上2位の63連勝も達成。通算白星や横綱在位場所数といった主要な歴代ベスト記録を次々に塗り替えていった。

 大関だった19年初場所から35度目の優勝を飾った27年名古屋場所まで皆勤を続けるなど丈夫な力士でもあった。しかし、近年は故障がちで休場が増え、昨年11月場所後には横綱審議委員会が史上初めて「注意」を決議。6場所連続休場明けとなった7月の名古屋場所に進退をかけて臨んで全勝優勝を果たしたが、今月の秋場所は同部屋力士が新型コロナウイルスに感染した影響で休場していた。

 通算成績は1187勝247敗253休、幕内通算は1093勝199敗253休。