首藤康之「自分の分身のように思えてきた」最新舞台で人生をダメにした男の再生描く
<首藤康之>
心の中にある恐怖を抱えながら過去と未来の間に自分をおき自問自答する毎日・・・、それを紛らわせるために酒を呑み戯言を言う日々・・・、まるで僕・・・。
読み進めてみるとこの「ジョン」という男が、自身の分身のように思えてきた。
この仕事をしていると、自分が抱いている感情と表現しようとしている感情の間に本当の自分がいるような気がいつもしています。ジョンと自身の心の叫び声をエネルギーの源として、僕自身初めて体験する会話劇を、精魂を注いで演じたいと思います。
今年50歳を迎えるこの時にジョンに出会ったのは何かしらの運命を感じています。
本当に素晴らしい本です!少し変わったクリスマスを劇場で一緒に過ごしましょう!
お待ちしております!
<山下リオ>
太陽が昇っては沈み、また夜が訪れる。
そうやって一日、また一日と、時間は平等に進んでいきますが、
それが長いと感じたり、短いと感じたりするのは、世界人口の分だけ、
その一日にストーリーがあるからなのではと思います。
この物語は、ある男性の一日が描かれています。
男性は、2人の人物と会話する中で、心が揺れ動いていく。
台本を読みながら、他人の一日を覗き見しているような罪の意識を感じつつも、
いつのまにか感情移入し、私自身の一日に影響を及ぼされる、不思議な感覚になりました。
海外の戯曲は初めてなので、今から緊張していますが、
一日一日の稽古を大切にお芝居できたらと思います。
<小日向星一>
マークを演じさせていただきます小日向星一です。
2014年にPARCO劇場で観た『海をゆく者』に心を揺さぶられたのを覚えています。その作者のコナー・マクファーソンが書いた『ダブリンキャロル』の世界に飛び込んでいけること、とても光栄です。台本を読み、観てくださる方の希望になれるような戯曲だと思いました。
座組みの皆様と一丸となって、舞台を作っていきたいと思います。
よろしくお願い致します。
<演出:荒井遼>
「海をゆく者」を学生時代に観た。日常の片隅に詩的なものが忍び込み溶け合うさまに魅せられ、作者コナー・マクファーソンの名前を覚えた。時が巡ってこの度、「ダブリンキャロル」を首藤さん、山下さん、小日向さんという素敵なキャストの皆さんと、日本初演できる機会に恵まれて、とても光栄です。今年2月の「テンダーシング-ロミオとジュリエットより-」に続き、東演パラータでの上演になります。緊密で力を与えてくれる大好きな劇場です。
コナー・マクファーソン曰く “言葉をもった哀れな動物たち”、つまり私たちが求めてやまない“愛情”と、恐れてやまない“孤独”に真正面から挑む作品になります。
今年の年末は、一味違う「クリスマス・キャロル」はいかがでしょうか?
そこにあなたの姿があるかもしれません。ぜひ劇場に足をお運びください。
■『ダブリンキャロル』公式サイト https://theatertheater.wixsite.com/dublin2021