「すべての人に健康と福祉を」豊島区でホームレス状態の人に新型コロナワクチン集団接種
東京23区で初めて「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」のダブル選定を受けた豊島区で30日、ホームレス状態にある人への新型コロナウイルスワクチンの集団接種が行われた。都内では台東区に続くワクチン接種の取り組みを取材した。
30日に行なわれたホームレス状態の人のワクチン接種受付会場(東池袋中央公園)
豊島区では今年5月上旬以降に65歳以上の人、6月中旬以降に64歳以下の人に順次ワクチン接種券を郵送、区民のワクチン接種率は1回目が79.3%、2回目が73.9%となる(10月29日現在)。今回、ホームレス状態の人を対象とした新型コロナワクチンの集団接種が行われたのは池袋保健所。豊島区がNPO法人「世界の医療団」「TENOHASI(てのはし)」らと連携し、72人の希望者に武田/モデルナ社ワクチンの1回目接種が実現した。
この日に至るまでの道のりは、4月に厚生労働省より各自治体にホームレス等への予防接種の周知について事務連絡があり、支援団体が東池袋中央公園で行っていた炊き出しなどでホームレス状態の人にアンケートを実施、ワクチン接種に対する基本的な情報が不足している実態が見えてきた。アンケートの結果をもとに豊島区と支援団体で定期的な話し合いの場を設け、チラシを作成するなどしてワクチン接種の周知を進めてきたという。