豊島区文化栄誉賞に五輪スポーツクライミング銀メダルの野中ら4名。「としま文化の日」記念式典が開催

高野之夫豊島区長

 式に出席した高野区長は「昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で多くの文化事業が制約を受け、このままでは文化の灯が消えてしまうのではと思うこともあった。しかし、まちの文化の力で活力を取り戻すと信じ、昨年11月には、1ヶ月で約85万人の参加となる多種多様な文化応援プロジェクトを開催した。このイベントでクラスターの発生は一件もなく、まさにウィズコロナのイベントだった」と振り返った。「文化のないところにまちの発展はない。今年も感染防止対策を徹底して、さまざまな文化事業を開催していきたい」と挨拶した。

東京五輪スポーツクライミング銀メダリストの野中生萌

 式典では、区の文化振興に貢献した人や団体を表彰する「文化栄誉賞」の表彰式も行われた。豊島区文化栄誉賞には、画家であり、豊島区立熊谷守一美術館館長の熊谷榧、東京五輪スポーツクライミングで銀メダルを獲得した野中生萌、東京五輪ゴルフ銀メダリストでプロゴルファーの稲見萌寧、書家の金澤翔子の4名が選ばれた。

 新種目のスポーツクライミングで多くの日本国民を沸かせた野中。「東京オリンピックから既に3ヶ月近くが経つが、あの時のことを思うと胸がどきどきする。豊島区出身の私として、東京五輪でずっとやってきたスポーツクライミングが初めて採用され、そこでのメダル獲得は奇跡だった。このスポーツで世界を相手に戦えたこと、世界中の皆さんに見ていただく機会をいただけたことを誇りに思う」と、喜びを噛み締めた。

 この日は区内初となる「江戸川乱歩賞・日本推理作家協会賞 贈呈式・トークイベント」の一般公開や「レジェンド声優祭」が行われたほか、11月8日までを中心に、区内各地でさまざまなイベントが開かれる。「としまマンガ・アニメフェスタ」、「ファーマーズマーケット」のほか、吉本興業との連携では、アクロバティックなスポーツミュージカル「energy 〜笑う筋肉〜」、トキワ荘をオマージュしたオリジナル青春コメディ芝居「トキワ荘のアオハル」などを上演し、としま文化とSDGsの輪を広げる。