11月1日にアルバム『CHORUS IN CHAOS』をリリース。ママさんコーラス演劇「うたうははごころ」って?〈インタビュー〉
総選挙も終わり、自公で絶対安定多数を確保という結果に終わった。ということは大きく世の中は変わらない。日本の劣悪な子育て環境も多分そんなにすぐには変わらない。そんな中でも子育てをある種のエンターテインメントに昇華し活動しているのがママさんコーラス演劇「うたうははごころ」。「ん?『うたうははごころ』って?」ということで代表の菊川朝子と広報の稲毛礼子に話を聞いた。
代表の菊川朝子と影の支配者・稲毛礼子に聞く
2人はともに女優として小劇場で活動していたが、出産と子育てで以前と同じようには舞台活動ができなくなった。「うたうははごころ」は菊川が子供が1歳だった2017年に「子供と一緒に何かやれる場所があるといいよね」と同じ境遇の女優と話す中で生まれたもの。稲毛は創設時から菊川を支え「影の支配者」と言われる存在だという。
そもそもこの「うたうははごころ」って?
菊川「子供が生まれてから親子イベントみたいなものに行くようになった時にすごくイライラしまして(笑)。“子供が面白がっていれば親がぼんやりしていてもいいと思っている、このつまんねえ催し物はなんだ!”と思ったんです。子供を楽しませるには大人も楽しませないと絶対に楽しくない。だって大人がスマホをいじりながら、子供に絵本を読んであげてたって駄目じゃないですか? それに子育てって孤立しがちだからママさんたちが外に出られて、一緒に楽しめる場所を作りたかった。以前ほどではないと思いますが、世間的にはお母さんって優しくなければいけないとか、毒みたいなものも吐いちゃいけないとか、どこかでそういうことにとらわれがちなところもあると思うんですが、そういうのも嫌だなと思っていましたし」
稲毛「もともと自分が楽しいこと、面白いことばかりしたい!と思って演劇をやっていたのに、子供を産んだ途端に、そういう場に引っ張り出されて自分の気に食わない演劇とかアートを見せられる。やっている方も一生懸命やっているので、そういう気持ちをないがしろにはしてはいけないという気持ちもあります。でも演劇とかエンターテインメントとか、自分なりに面白さを追求してきた身としては見ていられないというか…」
菊川「そういうものだとあきらめている方々はたくさんいると思うけど、いやいやもっと面白いものを子供にも見せようぜ、とも思うし。それはお母さんにも。やっぱり親が行きたいと思うところのほうがいいでしょう」
ママさんコーラス演劇というのは?
菊川「ベースはママさんコーラスの人たちの会というイメージなんです。曲説明のMCの部分が芝居になっていたりして、その流れで歌い始めたりする。その部分で“子どもが寝ない!”とか言って急に泣き叫び始めたり」
子供も出ている?
菊川「出ているというか、存在している。歌いたい子は一緒に歌ったりしているし、遊んでる子もいる。自由です。ステージ前に地べたに座れるスペースを作っているんですが、そこには私たちの子供もいるし、お客さんの子供もいる。お母さんのそばがいい子はステージに上がってきてお母さんの足にまとわりついたりするし、抱っこしながら歌ったりすることもあります」
それを見て、お客さんの子供がステージに上がってくることも?
稲毛「あります。それはそれでラッキーです。“ノってるね!”という感じ。子供に関しては安全にさえしていれば基本的には野放しです」
菊川「親子イベントに行くと、子供が泣いちゃって申し訳なさそうなお母さんもいるんだけど、そうなると集中できないし楽しくないじゃないですか。だから泣くのもOK。むしろ“やった、泣いた”みたいな感じです」