王道の少年漫画と、古き良き香港映画の空気をプンプンに纏った映画『レジェンド・オブ・フォックス 妖狐伝説』【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

こんにちは、黒田勇樹です。

 脚本と演出をやらせていただく舞台「ラフ・レターズ」の稽古に没頭する毎日を送らせていただいております。

 稽古ができる最後の日までとことんやらせてもらおうと思っています。

 いい作品ができれば、また次にいろいろなお話をいただける可能性が高くなりますから。まあ、それはこの業界に限ったことではないんですけどね。

 日々、そんなことも考えながらやってますので、ご期待ください。

 では今週も始めましょう。

黒田勇樹

 王道の少年漫画と、古き良き香港映画の空気をプンプンに纏った映画『レジェンド・オブ・フォックス 妖狐伝説』!

 ふと通りかかった映画館で観た、ほとんど前情報を知らない映画『レジェンド・オブ・フォックス 妖狐伝説』

 ポスターも貼っておらず、事前に渡されたチラシから受け取れる情報は、なんか落ちこぼれの狐の妖怪と、役人を目指す青年のバディもの。

「少年漫画で、すげーよく見る設定!」と、思いつつスタッフを観たら……。

 音楽が…久石譲!?

“すだちかければ料理がなんでも美味くなる”のと同じぐらい、久石が音楽作れば名作映画になる、あの、久石譲!?

 久石さんでバディモノといったら、北野武監督の『キッズリターン』を、思い出すのは仕方ないじゃないですか! 地雷映画臭プンプンなのに、無防備に期待を膨らますことを、許してくれ!

 んで始まると、2020年製作らしいのですが多用されるCGは「明らかにCG」という、「最近のCGに慣れた世代」には、少しチープに感じるであろうクオリティー。

 ストーリーも「落ちこぼれだと思ってたら特別な血統で、喧嘩しながらもバディ同士の友情が育まれていく」という「もはやナ〇ト、パクッた?」と、いう王道のストーリー展開。

 音楽が良いのはもちろん、ヒロインがめっちゃ美人、アクションも『風雲 ストームライダーズ』系の映画が好きなら、めちゃくちゃ楽しめる内容で、なんの文句もなかったんですが…

 まさかの展開で、ラスト号泣。

 やっぱね! 久石使ったらこうなるよね!つーか、こういうストーリーだからこそ久石が活きるよね!

 中国資本で作られているんですが「久し振りに“いわゆる香港映画”を、観たな」と、調べてみたら、1997年の香港返還以降、“香港映画”と呼ばれていたチームは中国映画界への合流が進み“香港映画”と冠される映画は全盛期の5分の1、だいたい50本も無く、日本に入ってくるのは、更にその一部。

 王道の良さや、香港風のアクション、そして「その先のきちんと進化している香港の系譜を継いだ中国映画界」を知ることができる、素敵な映画と出会えました。

 あ、久石先生、興奮しすぎでずっと呼び捨てしてしまってすみませんでした!尊敬してます!

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23
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