「猫のミイラ」に、古代エジプト人の「現代病」も発見!『大英博物館ミイラ展』がすごい
約2000〜3000年前の人々の暮らしを辿る、特別展「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」が現在、国立科学博物館で開催されている。これまでもミイラやエジプトをテーマにした展示は数多くあれど、本展は最先端の技術で一線を画す存在だ。CTスキャンを用いた画像解析でミイラの謎を解き明かし、知られざる古代エジプトの暮らしやストーリーを垣間見ることができる。
最新技術でミイラの謎を解き明かす、特別展「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」が現在、国立科学博物館で開催中
世界でもっとも人気のある博物館のひとつ、ロンドンの大英博物館。古代エジプト文明の研究でも世界を牽引してきた同館から、今回6体のミイラを選りすぐり、古代エジプト人の生き様や文化を紹介する。
見どころのひとつは、個性あふれるミイラたちの姿だ。本展では、年齢や立場がさまざまな6体のミイラが登場。代々続く名家の神官や、裕福な生活をしていた既婚女性、大きな瞳の男の子など、老若男女さまざまなミイラを展示する。
古代エジプト人も「現代病」だった?
大英博物館では、包帯を解かずにミイラを最先端のCTスキャンにかけ、画像を分析。コンピュータ上でミイラを開封することを可能にし、新しい発見をもたらした。
本展で紹介された4体の成人のミイラには、血管に石灰化したプラーク(沈着物)が見られ、「現代病」とされる動脈硬化症にかかっていることが分かった。また、前立腺や腎臓などの臓器で発生した癌が、骨盤に転移した痕跡のあるミイラもあり、現代人も悩まされている病気に古代エジプト人も悩まされていたことが分かる。