片桐仁「日本人には粘土の成分が足りない!」過去最大の展覧会が20日開幕 粘土アート20年の集大成

作品が所狭しと展示されている

 文房具や携帯やスマホのカバーなど作品は多岐にわたる。そのなかで、展覧会で巡った日本各地のテイストを取り入れた作品も多数展示。会場にはさらには自宅のリビングも登場しており、片桐は「ちょっとずつ違いますが、かなりの再現度です」

 広い会場のなかでひと際大きな作品が「公園魔」。クラウドファンディングで作成したランドマーク作品で、片桐にとっても過去最大の作品だ。

「僕の地元、埼玉県の宮代町にたこ公園があるんです。今もあるんですけど、40年前からこの公園がいいなと思っていました。僕が作るなら地獄がいいと思って、たこ公園の地獄版です」

粘土をのせる作業が思った以上に大変だったそうで、「色を塗ればよかった…と思ったことも」と本人

 インスピレーションとなった、公園のたこのように登って遊ぶことはできないが、だらんと伸びたベロの先端部分に座れたり、背後にある階段までは登ることができる。登らずともぐるりと回って楽しみたい作品だ。

「粘土の連載を20年してきて、今の日本人には粘土の成分が足りてないなと前々からと思っています。(粘土の楽しさを)作品を見たら知ってもらえるし、ワークショップもあります。美術館は堅苦しくてあまり好きじゃない、どう見ていいか分からないという人も、見に来ていただけたら楽しいですから。これをきっかけに美術に興味を持っていただけたら」と、話していた。

 12月19日まで。11~19時。