滝沢カレンは“謎の美女”!「自分のコンプレックスを聞かれても絶対に言いません」

『土竜の唄 FINAL』 ©2021「土竜の唄」製作委員会 ©高橋のぼる・小学館

「世界観に入り込むのが大好きなんです」

 実は少女時代から女優に強いあこがれを抱いていたという。

「女優というお仕事へのあこがれをはっきり意識したのは14歳くらいです。学校から帰るとテレビでドラマや映画を夢中になって見ていました。当時、洗面台の前に立って鏡を見ながら、テレビの音に合わせて役になりきって演じる、ということをよくやっていました。指で水を顔につけて、涙を流すシーンを演じてみたり(笑)。今思えば、いつか女優のお仕事もしてみたいという強い願いを生んだのが、あの場所だったと思います」

 やがてその願いを一歩一歩叶えるように、モデルとして人気を博しながら、ドラマや映画にも挑戦するように。

「私がこの世界に入って最初に驚いたことが、撮影しているときにはBGMは流れていない、ということ。子どものころはずっと、俳優さんたちは音楽に合わせて感情を盛り上げて演じていると思っていたんです。自分がまさに、洗面台の鏡の前で音に合わせて気持ちを高めて役になり切っていたので(笑)。音楽の助けもなく、あんなに豊かに感情を生みだせるなんて…それを知ったとき、改めて俳優さんのすごさを感じました」

 作品に参加するたびに、高い壁と楽しさを感じる。

「簡単なことは何一つないですね。この学びが終わることはないですし、そもそも演技には正解もない。本当に俳優という仕事は、本当に好きじゃなきゃできないことだと思います。現場に立って俳優さんのすごさを目の当たりにするたびに、皆さんがいかにセンスや才能、情熱をお持ちなのかを感じます。その中で、私も毎日、何とかついていこうと一生懸命でした」

 どんなに大変でも「やっぱり映画が好きなんです(笑)」

「その大好きな世界の中に自分も入り込みたい。女優へのあこがれを意識したのは14歳のころでしたが、もっと幼いころからドラマや映画が大好きだったのは、ずっと、いつかこういう世界に関わりたいと思っていたのかもしれません」

 モデル、女優にとどまらずバラエティーや料理本と、多彩な才能を見せている。

「生きている間に間に合うか分からないくらい、やりたいことがたくさんあるんです。ただ、この仕事をしていると、自分が思ってもいなかったようなお仕事の話を頂いて、新しいことに挑戦できるということがけっこう多いんです。料理の本を出させていただいたときも、私が料理に興味があることを知ってくださっていた出版社の方からご提案頂いたことがきっかけでした。新しい挑戦は壁にぶつかることも多いけれど、期待に応えたいという思いで乗り越えてきました。私にとって“壁”は贈り物。これからもすてきな壁を頂けるように、自分自身を磨いて、自ら行動していかないといけないなと思っています。たくさんの壁で隠されてゴールが見えない人生を送り続けて、90歳になりたいです(笑)」

 潜入捜査官の玲二や“謎の美女”沙門夕磨さながら、まだまだ見知らぬ素顔と魅力が隠されていそう。

「私自身、自分のすべてを人に見せているとは思っていないし、実際、すべてをさらけ出している人のほうが少ないと思います。それに“滝沢カレンって本当はどんな人なの?”と思ってもらえるほうがうれしい。キレイとかカワイイとほめていただくより、ミステリアスと言われたいです(笑)。だから、自分自身のプライベートな部分もあまり話さないですね。あと、私はコンプレックスを聞かれても絶対に言わないようにしているんです。それを人に言ったところで、自分自身を含め、誰もいい気持ちはしないと思うから」

 今後どんなことに挑戦するか、自分自身も分からないから楽しみ、と笑顔。

「ということで、私、隠していることはたくさんあります(笑)」

(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)