女性27歳「将来について悩んでます。正直、27歳という年齢に焦りを感じています」【黒田勇樹のHP人生相談 125人目の2】

◆黒田勇樹「“依存を深める”よりも「この時間を楽しむ」という考え方に切り替えましょう」

 共依存だね。Tくんの依存先がAちゃんから相談者さんに変わって、相談者さんはTくんという、依存先を見つけた。

 人間は、多かれ少なかれ何かに依存して生きていて「変なもんに依存しない様に」昔から「宗教」という依存先が作られていたし、今だったら感染症もあいまって「科学」なんかも依存対象になっています。

 でね?「宗教」とか「科学」は、思想とか情報だから“ゆるがない”(正確には“ゆらぎにくい”)けど、生物や環境は“ゆらぎまくる”!!

 恋人は、別れたり死んだりします。ペットだって家族だってそうです。

 仕事も、辞めさせられたり倒産したりします。

 さらに“ゆらぐ”ので、恋人の性格や考え方に変化が訪れたり、会社の方針が変わったり部署や同僚が変わったり、これだけでも充分な喪失。

 ゆらぐものに依存していると、いつか失うので、その時にまた自分もツブれたり悪化したりしてしまう。

「学生たちといるときだけは鬱が治る教師」は、「天性の教師」ではなくて職場と学生に依存しまくりの「鬱の末期症状」らしいですよ。

 更に相談者さんの場合の共依存は「お互いが“ゆらぎまくり”」の関係なので、一瞬で「幸せハッピー」を失った時のことを想像すると恐ろしくてたまりません。

 多分、相談者さんも薄々それを感じているから「Aとのことを疑ったり妬いたり」することで「今後何かあった時の予防線」を張ろうとしているんだと思います。

「別れろ」とか「冷めろ」とかは、全然思わないんだけど、せっかく幸せハッピーな今「Aをネタに依存を深める」よりも「この時間を楽しむ」に専念した方がいい。そういう考え方に切り替えましょう。だっていつかは失うんだから。死ぬまで添い遂げても死ぬときに失うでしょ?

 で、この幸せな時期に絶対にしておくことが1つ。

「依存先を散らす」!!

 趣味でも食べ物でも人でも場所でも、色々なものを好きになって、どれかを失ってもまた立ち上がれるような依存先を沢山作る!

 そうしておくとね、段々“自分”が確立していって、最終的には“自分”という、唯一無二、一生失われることのない依存先に出会えるから。

 無理する必要はないので精一杯、今を楽しむところから始めてみて下さい。

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23
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