トウモロコシを使った次世代プラスチックが登場。 サステナファッションの新たなキーワードに

ポリ乳酸100%のTシャツが生分解する様子。写真左の白いTシャツを一定条件のもと堆肥化させると、3日目で写真右のように分解する

「ハイラクト」は、このポリ乳酸繊維をさらにパワーアップさせたもの。長年、ポリ乳酸の繊維化の開発を進めてきたハイケム株式会社は、一般的なプラスチックに比べて強度が低く、熱に弱かったポリ乳酸繊維を化学技術を使って強化。また、染色工程で色が入りづらいといった課題を、老舗繊維メーカーの小野メリヤス工業との技術協力により改善し、幅広いカラーの染色を実現した。

 ハイケム株式会社サステナベーション本部副本部長の高裕一氏は「これまでのファッション業界を転換するために、“リサイクルだけで実現できるのか”との考えのもと、素材自体の革命を考案しました。低価格や人々の生活を維持しつつ、ハイラクトでサステナブルファッションを実現していきたい」と開発への思いを語った。小野メリヤス工業の小野元延代表は「この繊維は確実に繊維業界において重要な素材の一つになる。これからも新しい素材の開発で繊維業界の発展に寄与していただきたい」と、期待を寄せた。