カカオ農家の児童労働からフェアトレードを考える。浜松市の子どもたちがSDGs学習
静岡県浜松市立船越小学校の6年生がリモート授業で「SDGs(持続可能な開発目標)」について学習。カカオ農家を題材に、未来の子どもたちのためにできることを考えた。
11月26日に行われた授業には、6年生の2クラス約60人が参加。講師にデロイト トーマツ コンサルティング合同会社 デロイト デジタルのスペシャリストの若林理紗氏を迎え、「未来のためにわたしたちができること」のテーマで学習した。
「突然ですが、チョコレートは好きですか?」との若林氏の質問で、授業はスタート。多くの児童から手が挙がると、次は「何を基準に商品を選びますか?」との問いが。児童がおいしさや、甘さ、価格を挙げるなか、「今日は、“誰が作っているか”を考えてみませんか」と若林氏。チョコレートの原料・カカオ豆の生産者に思いを馳せることを提案し、彼らの生活を知ることで、自分たちだけでなく、誰もが未来を選べる公正な世界を目指そうと呼びかけた。
授業では、カカオ豆の生産地・ガーナ共和国を例に「児童労働」の現状を紹介。家族経営のカカオ農園では、児童たちと同世代の子どもたちが収穫の手伝いなどをしているところもあり、児童労働の割合は、世界の10人に1人、アフリカの5人に1人に上るという。若林氏は、児童労働によって、子どもたちが学びの機会を奪われていることや、重労働・けがの危険に晒されていることを伝えた。
ワークシートを使った学習では、児童労働の有無で日々の生活にどのような違いがあるかを考えた。児童らは「(児童労働をする子どもたちは)学校に行く時間がないので、読み書きができないのでは」「テレビを見たり、ゲームをしたりする自由な時間がないのかも」と、さまざまな想像を膨らませた。また、将来への影響では「読み書きできないと仕事も限られる。自由に職業を選べないのでは」「テレビや授業で情報に触れないと、周りのことを知ることができなくて夢が限られてしまうかも」など、長期的な影響も考えた。