豊島区の創立100周年文化財「自由学園明日館」がSDGsへの関心が高まるイベントを開催
基調講演でエシカルの意味や意義を語る末吉氏
講演の後半で語られたSDGs先進国スウェーデンのレポートも興味深い。日本に比べ「25年先に行っている」という同国のマルメ市では、バスは全て市民の出した生ゴミを再生したバイオガスを燃料にしている。また、「ナッジ・コミュニケーション」という手法も示唆に富んでいた。ナッジ(nudge)とは「そっと後押しする」という意味の言葉で、上から目線で語るのではなく、例えばスーパーの冷凍食品棚の扉に『孫のために早く扉を締めましょう』というひと言を添えるなど、さりげない方法で意義を伝えるやり方だ。
他にも興味深いエピソードが次々と語られ、会場を埋めつくした観客は熱心に耳を傾けていた。最後に末吉氏は、自らの信念を次のように述べて講演を締めくくった。
「何もしなければ現状の問題悪化に加担することになる。しかし行動すれば問題解決の端緒となる。何を言うかではなく、何をするかが大事だ」