都医師会「高齢者、高リスクの人に3回目接種」ブレークスルー感染に「2回接種と抗原・PCR併用」
東京都医師会は14日、千代田区の東京都医師会館で定例記者会見を行った。
約2カ月ぶりとなる定例記者会見の冒頭で、尾﨑治夫会長は現状を「東京では新規感染者数が30人以下という状態が続いている一方、海外に目を向けるとオミクロン株がデルタ株と入れ替わって感染者数が増え続けている状況。日本ではかなり早い段階から政府が水際対策をしっかりして、都民をはじめ国民の皆さんがマスク、手洗い、3密を避ける、冬場の換気といった感染対策を徹底していただいて、今のところ感染者数のはっきりした増加傾向は認められない」と評価した。
「オミクロン株は感染力が非常に強いので、いずれ国内にも入ってくる可能性が高い」としながらも「今の水際対策と従来通りの感染対策を続け、なるべくオミクロン株の感染を抑えながら、私どもとしては高齢者の方、基礎疾患をお持ちの方にオミクロン株が広がる前に3回目のワクチン摂取を進め、重症者が増えない状況に持っていきたいと考えています」と医療従事者の3回目接種が進んだ段階で、高齢者や基礎疾患を持つ人への接種を進めたい考えを示した。
また、第6波に向けての医療体制を「入院、宿泊、臨時医療施設も京都と協力してさらに充実していこうと思っています。自宅療養者に対する24時間継続した医療支援体制について、地区医師会のほうにアンケート調査をしたところ、8~9割の先生がそうした体制を作っていただけていることがはっきりした」としたうえで、今後のブレークスルー感染対策に言及。
「現在、2回接種が終わって6カ月以上経過した人が増えていることと、これからオミクロン株が流行ってくるとブレークスルー感染が増えていくことが予測されます。感染リスクの高い活動において、しばらくはワクチン2回接種プラス抗原検査またはPCR検査という体制にしていかざるを得ないのではないか。3回目接種の目処がついて落ち着くまでは、2回接種かつ抗原検査かPCR検査で陰性ということで、社会経済活動を動かしていくべきではないかと考えています」
さらに「抗原検査で陽性になった場合、確定診断ではありませんので診療・検査医療機関につながっていただかないと困る。東京都と一緒にそういった診療・検査医療機関が地図上にマッピングされる仕組みも作りましたし、そこで医療機関にかかる際に問診などがスムーズにいく仕組みも作りました」と「診療・検査医療機関マップ」を紹介した。