ジャーナリストの堀潤氏が語る「睡眠と健康」。寝具もエビデンスにこだわりたい
「眠りに期待しているのは、インプットした情報が脳でちゃんと整理されること」
――「堀さんは眠りに対してこだわりなどあるんですか?」
堀「そう聞かれると、いかに眠りをぞんざいに扱ってきたかを実感します。睡眠時間は短い時は2~3時間。移動の合間にうたた寝をしてトータルで5~6時間とか。そんな日々が続いていたので、薄々感づいているんです、睡眠だけは貯められないのは分かっているので“まずいな”と(笑)。だから、しっかりと眠れる時くらいは身体をいたわって満足感のある睡眠をとりたいとは思っていて、情報や睡眠関連アイテムのチェックは時々しています。44歳になって腰や肩に不調を感じることも増えたので、日々の蓄積された負荷をできるだけ睡眠の中で取り除きたいですね」
――「僕も今は8時間も眠れません。6時間くらいなんですが、人生の3分の1は寝ているということを改めて認識したときに、やはり寝るということの大事さとそれに付随する枕とかマットレス、布団は大事だなというように思うようになりました」
堀「僕が眠りに期待している機能って、眠っている時間に僕の代わりに脳がちゃんと情報を整理することなんです(笑)。すごく追い込まれているときに“今日はチンしよう”というふうに言っているんですが、眠っている間に脳の情報がある程度整理されるので、起きた時に新しいアイデアが生まれやすかったり、構成作成がスムーズになったりと、まるで電子レンジでチンするように脳のパフォーマンスを温度上昇させる方法が睡眠ですね」
自分のカラダとのコミュニケーションも大事
――「逆に脳は冷やしたほうが睡眠の質は良くなるんですけどね(笑)。寝ている間にいかに脳を休められるかで起きた時に効率よく脳が稼働させることができる。眠りの質が大事ということですよね」
堀「脳は冷やしたほうがいいんですか?」
――「脳や体の深部体温、つまり奥の体温を下げることで深く眠ることができるそうです。先ほどご紹介したブレインスリープピローでは、それを春雨みたいな圧倒的通気性素材を使うことで叶えているみたいです」
堀「ジャーナリストのくせに、と言ったら変なんですが(笑)、ネットで拾い読みして、この音楽を聴きながら寝るといいとか、この体勢で寝るといいとかを試してみるんですが、それは何の根拠があるの?とか、本当に効果があるの?とか、ただの気休めでしょとか思ってしまうので、繰り返しになりますが、ちゃんとした科学的根拠に基づいたものがあるのはいいですね」
――「今回は“睡眠”というテーマでお話ししてきましたが、いかがだったでしょうか?」
堀「最近の僕の持論なんですが、SDGsとかいろいろな考え方がようやく社会全般に広がってきて、他者に対してどうおもんぱかるかとか、他者とのコミュニケーションをどう取って分断を和らげるかとか、そういったことが言われるようになりました。そして困っている人に想像力を持って自分に何ができるのか? そういうことをするにあたり、一番大事なのは自分が自分を知り、自分が自分をいたわってあげられる、一番究極の足元である自分を大切にしてあげることでようやく他者に対して寛容に余力を持って行動ができるようになるのかなと思っています。眠りの話をして、今、自分を一番犠牲にして痛めつけていたところなので、ひょっとして他者に目が向く寛容さって“自分が一体どういうコンディションであれば、自分を一番休められるのか”ということを知ることが重要なんじゃないかと思いました。人とのコミュニケーションはもちろん大事ですが、自分と自分の体とのコミュニケーションも大事ですよね」