3回目のワクチン接種の前に新変異株「オミクロン株」の発生で改めて見直される「免疫力」の強化

12月18日、ロンドン市のサディク・カーン市長が「重大事態」を宣言(写真:ロイター/アフロ)

 もう一つのコロナ対策は「免疫力」をつけることだった。こちらでは「睡眠」や「食生活の見直し」といった当たり前のことが改めて見直された。

 睡眠についてはよく「寝貯め」という言葉を使い、普段の睡眠不足を休日にたくさん寝ることで解消しようという考えもあるのだが、スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所の西野精治所長によると人間は「寝貯め」はできないとのこと。逆に今では、日々の睡眠時間の短縮が本人の気付かないうちに蓄積され、気が付けば借金のように首が回らなくなってしまう「睡眠負債」という言葉が使われているよう。この睡眠負債という状況は日中の集中力低下、精神状態の悪化、生活習慣病を含むさまざまな疾病リスクの増大、などの多くの悪影響を及ぼすことが分かっているという。

 とはいえ、長く睡眠時間を確保できない人も多いという現実を踏まえ、西野所長は睡眠時間の確保ではなく「睡眠の質」を高めようという「睡眠革命」という考え方も提唱している。「睡眠の質」の向上には入眠後、最初にノンレム睡眠が訪れる「黄金の90分」をいかに深く眠れるかが重要で、そのためには「脳を冷やす」ことが重要という。確かに日本の昔からのことわざに「頭寒足熱」という言葉があることを考えると、この「脳を冷やす」のが大事というのは腑に落ちる。そういった質の高い睡眠を実現するために西野所長が考案したというブレインスリープピローといった自らの頭と首の形に合った形状が保てる枕や、リラックスできる体勢を自然ととれるマットレスといったアイテムにも注目が集まっている。
 
 また食生活については「つなぐクリニックTOKYO」院長の渡邊康夫先生によると「タンパク質・炭水化物・脂質をバランス良く摂取することと、体にとって必須であるビタミンもバランス良く摂取することが重要。特定の食材や栄養素だけを摂るなどの食生活や、過度に食事を摂ることで肥満などになると、免疫力を低下させる原因になる」とのことなので暴飲暴食はNG。そして体を鍛えるための適度な運動は免疫力のを維持や向上に効果があるが、鍛えようと思うあまりに過度な運動をしてしまうと免疫力の低下につながるという。どちらにしても「やりすぎ」には注意ということだ。

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