生まれ変わる池袋東口。公と民の連携 “オールとしま”でSDGsの達成を目指す

(撮影・蔦野裕)

――豊島区は昨年、内閣府から「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」のダブル選定を受けました。企業として、どのようにSDGsに取り組んでいますか

中條代表:持続可能な社会の実現を基軸とした、新たな経済成長が求められる時代になってきました。豊島区の掲げる「公と民の連携 “オールとしま”」の一員として、何ができるのかという考えから始まり、現在SDGs達成への取り組みを進めております。

 ひとつは「地域の脱炭素化」に向けた取り組みです。今年8月、豊島区の姉妹都市である埼玉県秩父市産の低炭素電力を自社ビルに導入し、CO2年間排出量を20%削減しました。11月にはショッピングセンターおよび駐車場施設へ、再生可能エネルギー100%の電力を導入することで、電気のCO2排出量ゼロを実現させました。来年度には、電気自動車(EV)充電インフラの整備にも着手します。駐車場事業者として、将来的に需要が増えると予測されるEVやプラグインハイブリッド自動車(PHV)への対応へ向けて充電設備を導入予定で、環境負荷の削減に積極的に取り組んでまいります。

 二つ目は、地下駐車場での「共同荷捌きスペース」の提供です。これまで池袋駅周辺では商業ビルへの品運びのため、貨物車両の路上駐車が課題となっていました。そこで我々は、歩行者の安全と物流の両立を目指して、ISP池袋東口公共地下駐車場に普通車3台分の広さを確保した「共同荷捌きスペース」2ヶ所を、来年3月に設ける計画です。搬入数の多い平日午前7時〜正午までで、ISP以外の商業施設の方も利用可能です。路上駐車の削減につなげることで、良好な交通環境の実現に貢献したいと思っております。

 三つ目は、「豊島区女性のための起業支援」です。女性起業家塾を卒業した方を中心に、地元で起業する方に接客販売のトライアルとして、販売場所を提供しております。また、豊島区の福祉事業所グループによる手づくり品の販売場所として、作品とお客様の新たな出会いの場づくりに協力しています。我々は時代の変化に対応するだけでなく、自ら変化を起こす企業になることがこれからに役立つことになるのではと考えております。

写真上より時計回りに、来年3月より設置予定の「共同荷捌きスペース」、ISP館内に掲出されたSDGs広告、女性起業家を応援するための販売スペース(提供:株式会社池袋ショッピングパーク)