生まれ変わる池袋東口。公と民の連携 “オールとしま”でSDGsの達成を目指す

館内階段にはISPのSDGsの取り組みを紹介する広告を掲出(撮影・蔦野裕)

――豊島区は来年、区制90周年を迎えます。池袋の発展に向けた、今後の構想を教えてください

高野区長:来年迎える90周年は、これまでの取り組みの集大成であり、次の100周年につながる「としま新時代のスタート」であると考えます。2019年には、8つの劇場を備える「Hareza(ハレザ)池袋」がオープンし、区内の公園をつなぎ街なかを巡回する電気バス「IKEBUS(イケバス)」の運行が始まりました。また、同年、国家的文化プロジェクト「東アジア文化都市」の日本代表都市に選出され、街を変えていくチャンスを掴んだと思います。90周年の主役はSDGsの取り組みです。行政だけではなく、民間との連携をさらにとっていくことで、街全体がいっそう盛り上がり、意義のあるものになっていくと思います。そうした意味で、ISPさんは、現在あるものを十分に活用しながら、街全体を考えたまちづくりに貢献されていると感じます。こうした連携が活力になり、魅力ある街につながるのだと思います。

中條代表:近年、車需要の低下傾向や民間による駐車場整備が進んだことで、都市計画駐車場の役割も変化してきています。今後はまちづくりの観点から、余裕スペースの有効活用として、これまで移動が制約されてきた方々への対応を担うべく、計画を進めております。具体的には「MaaS」機能の導入です。豊島区は高低差があり、移動が大変な場所もまだまだありますので、サブスク型の乗合交通サービスに注目しました。ISPは地下駐車場の一画に乗合タクシーの待合・発着拠点を提供し、池袋来街者や駅利用客の皆さんへ、ワンマイル移動のストレスフリーを支援したいと考えております。また、東池袋1丁目の自社ビル1階の駐車場スペースを、障害のある方が乗り降りしやすいバリアフリーや、荷捌き駐車場に改善し、地域に役立つ駐車場を模索しております。そのほか、地元池袋に根ざした地域密着の取り組みとしては、東口のシンボルとなる「青い鳥」をテーマにした賑わい企画の推進や、地域の防災拠点としての避難場所や帰宅困難者の受け入れ整備などを進めております。

高野区長:構想から実行に移られていることは素晴らしいですね。行政単独で考えると前へ進めないこともありますので、民間の力を借りて、スピード感を持つことは大切だと実感しています。これからも区民の方々のニーズに合うよう、様々な連携をとっていければと思います。本日はありがとうございました。

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