最新作『PHOENIX』で聞かせる、NEW EXILE。 ー EXILE SHOKICHI インタビュー ー

 

ミュージシャンとして僕らが音楽の可能性を信じなきゃいけない。
それを信じて音楽作りをリスタートしました。

 

ーー本作はコロナ禍になってからEXILEがリリースする初めてのアルバム。アルバムのリリースの計画はコロナ以前からあったと思いますが、その時に考えていた作品と出来上がったもの。きっと別物ですよね。

コロナがすべてを変えましたからね。僕らもいろんなことをコロナに邪魔されちゃって、いろんなことを考えました。でもやっぱりミュージシャンとして僕らが音楽の可能性を信じなきゃいけないと思いましたし、それを信じて音楽作りをリスタートしたで。そういった意味で、アルバムのタイトルも『PHOENIX』になっています。


ーー少し話がそれますが、SHOKICHIさんはいわゆるステイホーム期間中はどのように過ごしていたんですか? 曲を作っていたりしたんでしょうか?

そういう人もいるみたいですが、僕はそうでもなかったんですよね…その気になれなかった。僕が曲を作り始めたのは14歳で、それから今までずっと続いているのですが、そんな感覚になったのは人生で初めてでした。なんだろう、曲を作る意味が感じられなかったのかな。曲って、音を作り、それが音楽になって、人に届ける。そこまで行って初めて意味を成すというか。届けるところまでいかないと、僕にとってはただの音。だから作る意味を感じられなくて。もちろん、その間もシングルを出しているので、その時はいろんなことを考えて本気で作っています。でも、それ以外の時は制作意欲が全然湧いてこなかったです。

ーーアルバムの話に戻りましょう。収録曲のなかで最初に発表されたのは「RED PHOENIX」でしたが、この曲がアルバム制作をスタートしたり、制作作業のドライブになったのでしょうか?

「RED PHOENIX」はシンボリックなものになっていったと思います。新体制一発目、コロナ禍にありながらライブエンタテイメントが少しずつ動き出したなかでの一発目でしたから、不屈の根性でこの危機的状況を乗り越えるぞじゃないけど、そういった強い思いが込められています。こういう曲だったら、いろいろなネガティブをポジティブに変えていけると思って、自分の中で鳴った音を形にしてプレゼンして。それから、アルバムがスタートした感じですね。

ーー「RED PHOENIX」はプレゼン第1弾ということになりますね。

そうですね。新体制プレゼン第1弾です。

ーーお話を聞いていると、ほかの収録曲は「RED PHOENIX」以降に作られたものということだと思います。こういうアルバムって実はレアケースではないですか? 

そうかもしれないですね。曲は常に作り続けているので、あらかじめ作ってあったものって存在していますよね。でももうそれが合わないというか、新しく作る以外なかったです。「RED PHOENIX」ができて、ほかのシングル曲ができて、TAKAHIRO君が制作してくれた曲が入ってきて、少しずつ形が見えてきて、こういう感じでまとまったらいいなって。アルバムの全景が見えたのって本当に最近です。

ーー今回のアルバム制作で大変だったところってどんなところでしたか?

うーん、歌割りは大変だったかなあ。みんなキーが違うし、アプローチの仕方も違いますから、いろいろ考えました。それもまた、みんなで考えたんですけど。ただそれは大変だ、難しいってことではなくて、その違いが楽曲を表現するうえで最大限に生かされています。