過去最大級の『バンクシー展』が原宿で開催中!アートと社会課題に触れる年はじめ

 

 目を引く作品のひとつが、カラフルな6枚画の『ケイト・モス』。バンクシーは、1960年代のアンディ・ウォーホルの代表作『マリリン・モンロー』の肖像からインスピレーションを得て、2005年、当時のポップアイコン、ケイト・モスをモチーフにした作品を発表した。作品を通じて、60年代から変わらずアートマーケットが消費至上主義であることを指摘。著名人たちの様子を複製して見せることで、アイコンのイメージが量産されていく消費社会への揶揄、警鐘とも受け取ることができる。大量生産・大量消費を象徴するかのように、皮肉にも美しく、部屋一面にずらりと並ぶ肖像たちは圧巻の光景だ。

 バンクシーのルーツを探る作品は他にも。同じくウォーホルが1962年に描いたキャンベルのスープ缶からインスピレーションを受けた、英大手スーパー、テスコの『スープ缶』。地元経済を脅かす大企業への痛烈な批判を込めた、見どころある作品だ。

 そのほか、「消費」「政治」「抗議」「戦争」など、現在の世界を取り巻くテーマごとに作品を展示。無垢な少女がぬいぐるみのように愛しそうに爆弾を抱える『ボム・ラブ』や、ベツレヘムの壁に描かれた花束を持った青年『ラブ・イズ・イン・ジ・エア』、少女の手の先から空へ飛んでいく風船を描いた『ガール・ウィズ・バルーン』など、バンクシーの代表作もずらり。計100点以上の作品を通して、彼の真骨頂である社会風刺を凝らしたストリートアートの世界に浸れること間違いなし。

『BANKSY GENIUS OR VANDAL?(バンクシー展 天才か反逆者か)』はWITH HARAJUKUで、3月8日まで。