堤真一「お前を見に来てるんじゃない」若き日に浴びたイギリス人演出家の洗礼に感謝

 

 この日はキャストたちに、映画にちなみ、仲間のために命を懸ける“鹿の王”のように、自分にとって大きな存在は?と質問。

 堤は「仕事をするたびに“鹿の王”のような存在がいたからここまで来れたと思いますが、一番最初はデヴィッド・ルヴォーというイギリスの演出家にケチョンケチョンにやられて、芝居を教わったこと。25歳くらいかな。“客はお前を見に来ているんじゃない。役と役の関係性を見に来てるんだ”“セリフは自分の役を説明するための道具じゃない”と徹底的に言われました」と振り返ると、両脇の杏と竹内も感じ入ったようにうなずいた。

「徹底的にやられる、という言葉にドキドキしますね」と言う杏に「怖かったですよ」と堤。「毎日怒られるし、そのうち降ろされるだろうなと思いながら稽古場に通っていたんですが、日に日に体が車道側に寄って行って…」と苦悩した日々を振り返りつつ、洗礼に感謝。司会から「今日は皆さん、堤さんを見に来てますよ」と言われると堤は「映画を見てください(笑)」。

 竹内は「大学でサッカー部だったときスタッフに俳優をやってみたいと相談したら真剣に聞いてくれ、それが踏み出すきっかけになりました」、杏は「幼いころから30年以上一緒にいる友達。お互いの人生を共有しているような気持ち。おばあちゃんになってもみんなでワイワイ言っているんだろうなと思います」と信頼する友人たちを上げた。

 最後に堤は「2度、公開延期になってようやく公開です。疫病をテーマにしていますが、この状況だからこそ明るいものや力をもらえる作品になっていると思います」とアピールした。

『鹿の王 ユナと約束の旅』は2月4日より公開。