キンプリ永瀬廉が魅せる『真夜中乙女戦争』は、現代最新にして最強の“セカイ系ルサンチマン”映画だった!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
こんにちは、黒田勇樹です。
なんかオミクロン株がすごいことになっていて、まん防がとうとう東京でも発出されました。
なんとか映画館はやっていてくれて、今回も映画の原稿が書けてます。映画館さん、ありがとうございます。
いろいろな人がいろいろな対策を語っていますが、どうしたらいいんでしょう。そんなことを考えている今日この頃です。
さて、今週も始めましょう。
King & Princeの永瀬廉君主演映画『真夜中乙女戦争』を観てきました。
冴えない男の子が、大学で不思議な先輩や美女と出会い…東京を爆破することになる!と、いうストーリー。
ネタバレのない範囲でいえば『タクシードライバー』や『ファイトクラブ』の様な「ルサンチマン」(強者や体制にたいして抱く劣等感とか嫉妬)が主軸に置かれた構成で、描き方は“セカイ系”。『エヴァンゲリオン』や『最終兵器彼女』みたいといったらいいでしょうか? ざっくり、主人公のとてもパーソナルな問題と世界を巻き込む大問題がリンクしていく様なジャンルと認識しています。あ、あと“主人公がめっちゃしゃべる”もセカイ系の重要な定義(個人の見解です)。
なんなら、この映画、僕の中では『ペンギンハイウェイ』と、同じ箱に入りました。
さて、哲学的だったりサスペンシブだったりするストーリーの詳細は、観た人で集まって一晩じゃ足りないぐらい語り合うとして、“撮り方”の妙。
まず「ジャニーズのイケメンがルサンチマン」て時点で「ハナにつくもの」になりかねないじゃないですか! イケメンの癖に池田エライザといちゃいちゃしてるとこ大スクリーンに映し出されて女の子たちにキャーキャー言われて! こっちのルサンチマンが爆発するわ!
しかし、それを一切感じさせない。永瀬くんの真摯でありながら不敵な演技を、他のメインキャストである池田さん、柄本佑さん含めかなりリアルな質感、毛穴まで映っちゃうんじゃないかという程、生々しく撮影されていたおかげで“きちんと実在する人物に見える”。
奇想天外なストーリーだし、カメラワークもかなり斬新というか現代的な工夫を凝らしたものなんだけど、この“質感”にこだわり続けるから、一切冷めることなくラストまで没入することができました。
毛穴まで映ってもイケメンなのはもう、舌を巻くしかありません。
最後に、池田エライザが言わずもがなですがちょー良かった! 演技・ビジュアル・存在感、そしてそれなのに“ちゃんと、そこにいる普通の女の子に見える”という最高の立ち振る舞い!「早く50才になったこの女優の演技が観たい!」とすら思う好演。
何回も何回も色々な角度で楽しめる映画なので、ぜひ“とっとと”劇場へ足を運ぶことをおススメします。