楳図かずお「さらに高いところを目指さないといけないなと思った」28日開幕の『楳図かずお大美術展』で27年ぶりの新作

中川翔子は自ら描いた絵をプレゼントした

   セレモニーには途中から、幼少期から楳図のファンで楳図の作品を模写しまくっていたという中川翔子が加わった。8年ぶりの再会だといい、2人で笑顔を浮かべて大喜び。

 楳図の作品について聞かれた中川は、「美しいなかに、恐い、面白い、なぜ、どうして、過去も未来もあって、生きる文化遺産であり革命」と熱弁。一番好きな作品はあるかと聞かれると、「……『漂流教室』で、今日は。(一番好きな作品は)日によるし、時間によります。未来への予知がたくさん入っているんです。子どもたちの無限の可能性、環境問題、ウイルスが流行ったらどうなるかとか。今読んでいても新しい発見があったり。これからどう生きていこうかというテーマが詰まっていて、何回読んでも衝撃を受ける」と、怒涛のように話した。

 展覧会もセレモニー前に見て回ったという中川。「101枚の連作を見させていただいて、漫画のエッセンスもありながら、これまでの作品をほうふつとさせるテーマ。カラーで描かれているので見る角度によって金色がキラキラ光ったり。先生というと赤や緑のイメージがありますが、パステルカラーや蛍光ピンクがあったり。1枚で見てもアートとして芸術として未来永劫地球に残る作品でありながら、連作でみると漫画のように読み解いていくことができます。先生の漫画の大好きなところ、こういう展開になったなと思ったら、次のページでみんなが壊れたり、死んでしまったりしていて、なぜ?っていう。このドキドキが直接見られるってすごいこと。絶対、作品を直接見に来てほしい。印刷とは違う、生の迫力……世界中の全人類早く見て!って感じです」

 

 楳図は「芸術性だけど、スリルとサスペンス。世の中にはスリルとサスペンスが必要です。周りがドキドキしていても、自分のドキドキを持たないと楽しくないですからね」

「ダリの美術館みたいに、ずっと“楳図かずお美術館”があってほしい。赤と白のミュージアムを建ててください!」と中川が熱い視線を楳図に送ると、楳図は「そこらへんを目指していて……シンゴ美術館っていうのが、話の中のポイントですね」と、笑った。

 イベントの最後には「今回は自信がある」と、楳図。「ゆっくり見ていただいて、説明もちゃんと理解して、お家に帰ったらその結果をみなさんにお知らせしていただいて(笑)」と、キュートにアピールしていた。   

 1月28日から3月25日まで同所で。