ロンブー・淳「すべてが学びに」“視点を変え社会に影響”でヘラルボニー、陸前高田市と表彰

自社の取り組みについてプレゼンする株式会社へラルボニーの松田崇弥代表

「企業」部門を受賞した株式会社へラルボニーは、岩手と東京の2拠点で全国の知的障がいのあるアート活動を行う作家とライセンス契約を結び、著作権データを2000件以上保有。ファッション・インテリア・ライセンスの分野でさまざまな商品を展開している。東京2020パラリンピックの岩手県の聖火台や、閉会式のプロジェクションマッピングのキュレーションなども担当した。

 自身の兄も重度の知的障がいと自閉症を持つ同社の松田崇弥代表は「『知的障がいのある人はかわいそうだ』というイメージを変えたいと思い、アートの領域で頑張ってまいりました。私自身も、知的障がいのある人は何もできないから社会に出ることができないのではなく、社会に出るのにあまりにも障壁が多いからできなくなっているのだと考えています。私たちはその障壁を取り除く存在であれたら」と語った。

「自治体」部門を受賞した陸前高田市は、東日本大震災以降、津波に耐えうる防潮堤の整備や住宅地の高台への移転、中心市街地を10m以上かさ上げして津波被害を少なくするまちづくりを推進。さらに「ノーマライゼーションのいらないまちづくり」を基本理念とし、取り組みの一例として法政大学と「SDGs推進に関する連携協定」を締結した。

 陸前高田市役所政策推進室の菅野大樹主任は「震災から11年、復興はまだ完了しておりませんが、ハード事業についてはようやく完了であったり完遂という言葉が聞こえるようになってきております。これまでは震災で被災したまち、一本松のあるまちというイメージだったかもしれませんが、今後はノーマライゼーションのいらないまち、共生社会を実現できるまち、防災・天災を学べるまち、誰もが一度は行ってみたくなるようなまちづくりを進めてまいりたい」とビデオメッセージを寄せた。

ビデオメッセージを寄せた陸前高田市役所政策推進室の菅野大樹主任