ガンプロ2・27後楽園でザ・グレート・サスケと一騎打ちの今成夢人「サスケさんと戦って呪縛から解き放たれたい」
「ほかの人が寝てたり遊んだりしてるときに仕事してたり、練習してたりしました」
――高岩選手の参戦でガンプロのクオリティーが上がってるように見えるんですが・・・。
「みんなが高岩さんに追いつけ追い越せになってるし、技の重みとか重厚感とかどっしりしたところにキャリアの厚みを感じるし。みんながかなわない相手じゃないんだ、倒すんだという気持ちは持ってるから。それが底上げになってると思いますね。それは高岩さんの狙い通りかもしれないし。高岩さんも熱くならなきゃって思ってくれてると思うんです。トーナメント決勝では、僕がエルボー何発もいっても、何回も立ち上がってくる。すごいですよ。50歳のエネルギーじゃない。それもうれしくなります」
――そのサスケ選手の予言ですが、2016年にはブレイクできなかったけど、2020年には大谷(晋二郎)選手にシングルで勝ったり、大谷選手とZERO1のインターコンチネンタルタッグ王座を戴冠したりで、ブレイクしたんじゃないかと思いますが、自覚はありますか?
「それはコツコツ積み重ねてきただけというか・・・。今年来るぞとか、今年成し遂げてやるぞとか、そんな気持ちをもって年を迎えてないというか・・・。地道に練習して、地道に仕事して、地道に映画見て、いろんな感想とか感動をストックして。ただ単に自分の積み重ねであって、ストックしてたものが、最近バケツの水がこぼれてくるような。そんな感覚はあります」
――そういった実績で周りの評価も変わってきたんじゃないでしょうか?
「自分の傾向としてあるんですけど、あんまり身内には誉められないというか、身内に評価されなかった人生なんです。でも急に大谷さんとか、身内じゃない人が買ってくれたり、評価しれくれて。大仁田(厚)さんもそうですし。僕のことを買ってくれる大事な人が出てきて。そういう意味で、自分に肯定感を、身近な人じゃなくて、遠くにいた人が自信を持たせてくれた」
――あくまでもコツコツやってきた成果だと?
「さぼらなかったんです。仕事もトレーニングも。自分に才能とか運動神経とか、プロレスやる上でないと思ってるから。でも自分に積み重ねられることはあると思って、毎日やりました。ほかの人が寝てたり遊んだりしてるときに仕事してたり、練習してたりしましたね。今でこそ会社がサイバーファイトになって、会社としてしっかりしてきたと思うんですけど。そうなる前、僕が映像班に入ったときは、ボロボロのカメラ1台しかなかった。そういうところからスタートして。今、WRESTLE UNIVERSEって、たくさんの大人がつくり上げてますけど、そこに至る下地を僕がつくった自覚がある。僕が毎日徹夜したり、涙流しながらつくったり、ボロボロの機材でつくったり。そういう矜持は誰よりあると思う。砂利道をインフラが整ってないときに仕事してきた。今、インフラが整ってマニュアルがあって、これを使ってください、アレを買っていいですとか。僕は高木(三四郎)さんにアレ買ってこい、これをやれと言われて、全部応えてきて、砂利道を一人で脱落しないで歩いてきた自負はあります」