フザけてない佐藤二朗さんが観られるのはこの映画だけ!ロングヒットの名作『さがす』の大仕掛け【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

こんにちは、黒田勇樹です。

 新型コロナウイルスの感染がまだまだ収まらない中、花粉症の方には厳しい季節がやってきましたね。電車の中でくしゃみが止まらない人もいると思いますが、周囲の方もそんなに殺伐とした感じにならないようにと祈ったりする今日この頃です。

 そしていろいろなことが早く解決することを祈りながら、今週も始めましょう。

黒田勇樹

1月21日に公開されたのに3月半ばである現在でも、満席に近い動員をみせている話題作『さがす』を観てきました。
 以前、かなりの衝撃を受けた『岬の兄妹』の監督・片山慎三さんの新作ということで“変な期待”をしながら観に行くワケですよ。
 しかも主演が佐藤二朗さんという“メジャー”な俳優さん。
『岬の兄妹』は、もう攻めすぎていて「この監督、テレビの方の芸能界で売れる気がないな」というアングラっぷりだったのに“テレビでよく見る人”をキャスティング”。
 このパターンは、誰もが「あ、売れようとしてるな」と思い、さらに“大体の人”が「失敗するヤツ」と、思うのではないでしょうか?

「あの事件とあの事件」「あの地域」をモデルにしたであろう、わかりやすく“攻めたっぽいい”題材。
 前半のシーンで、背景に映りこむ“黒猫”がめちゃめちゃいい演技をしていて「これは、偶然だとしたら監督ガッツポーズしただろうな」とか、思いつつ“全世界の映画監督は敵だ”と穿った目で観ていた筆者には、少し物足りない“無難”な、面白さ。

 伏線を貼りまくるミステリー的なストーリーも、書く側からすると「まぁ、そっちの方がラクよね」という内容。
「こないだは“人間”描いてたのになぁ」と、映画が悪いというよりは、こちら側の期待の仕方が悪かったという感じで進んでいく。
 卓球場が重要な舞台の1つで「こんなにラリー続かんから、上手にCG使ってんだな」と感じる場面があるんですが

 あれ…?あの黒猫もCG?

 だったら相当計算しつくされて作られてんじゃないかと、思った最後の本当の一瞬…。

「コレか!!!!」という

 この“CGの演出”を“悪用”したともいえる「人間」を映すカット。
 圧巻でした。
“役として”は、ふざけてるシーンがあるもののシリアスな佐藤二朗さんも必見。
 今年の邦画界を荒らすであろう、傑作でした。

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