東京アニメアワードフェスティバル2022が閉幕 長編グランプリは『マード 私の太陽』

豊島区の高野之夫区長と、受賞した伊藤瑞希監督

 コンペティション部門には、グランプリのほか、長編と短編の優秀賞、学生賞、そして豊島区長賞も設けられており、同賞には伊藤瑞希監督の『高野交差点』が受賞した。

 伊藤監督は、「この度はありがとうございます。私はプロではなくて、芸術でアニメーションを作っているわけでもなくて、一人で趣味みたいな感じで作っています。普段、こつこつアニメーションを描いていたりすると、金にもならないのに……と思うんですけど、たまにこのように華やかな場に呼んでいただいたり、何らかの形で認めていただいたり。映画祭は文化的土壌を視覚化してくれる場と思っています。その輪に入れていただいたことは今後の励みにもなりますし、とてもうれしく思います。この度は賞をいただきありがとうございます」と、スピーチ。

 高野之夫区長は、「(受賞作の)『高野交差点』は、(登場する)3人の方々がお互いに無関心でありながらも、何か小さな親切というか、ほのぼのしたものが描かれています。ものすごく感動しました、素晴らしい作品だったなと思います。これからも大いに活躍していただきたいと思います」と、エールを贈った。

 

 イベントには、小池百合子東京都知事もビデオでメッセージを寄せた。豊島区は、漫画の巨匠やアニメの原点ともいえる人物が暮らし、今は全国各地からアニメファンが集まるとし、「東京アニメアワードフェスティバル」に相応しい場所としたうえで、「芸術文化は都市が持続可能であるために不可欠な要素です。人々の心を支え、豊かにし、輝かせます。これからも東京から世界にむけて素晴らしい作品をどんどん発信したい」と意気込んだ。

 TAAF2022は、2002年から2013年まで開催されていた「東京国際アニメフェア」の一環として行われた「東京アニメアワード」を独立・発展させた国際アニメーション映画祭。2022年で9回目の開催となる。日本国内で未興行の世界アニメーションを対象にした「コンペティション部門」のほか、日本国内で発表されたアニメーション作品を対象とした「アニメ オブ ザ イヤー部門」、アニメーション業界・文化の発展に大きく貢献した人物を顕彰する「アニメ功労部門」からなる。