北京2022パラリンピック アルペンスキー 『Unbelievable!』【アフロスポーツ プロの瞬撮】
スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。
3月4日から13日までの10日間にわたり開催された北京2022冬季パラリンピック。
大会期間中、私が撮影した主な競技はアルペンスキーだ。
ちなみに私がこの競技を撮影するのは、今大会が初めてである。
パラ・アルペンスキーは、選手の障がいの種類によって3つのカテゴリーに分けられ、その中で順位を競う。
一つ目はVisually Impaired(視覚障害)。
視覚に障害がある選手が、先導役のガイドの声や音を頼りに滑走する。
二つ目はStanding(立位)。
上肢や下肢に障害がある選手が、立った状態で滑走する。
三つ目はSitting(座位)。
下肢に障害がある選手が「チェアスキー」に乗って滑走する。
今大会、メダル4個(金3、銀1)を獲得した村岡桃佳選手はこのカテゴリーに属する。
また種目は各カテゴリーごとに5つ。
高速系が①Downhill(滑降)と②Super-G(スーパー大回転)。
技術系が③Giant Slalom(大回転)と④Slalom(回転)。
さらに高速系(Super-G)と技術系(Slalom)を1本ずつ滑走する⑤Super Combined(スーパー複合)がある。
滑走するコースは、高速系と技術系それぞれ1コース。北京オリンピックで使用されたものと同じもので難コースと言われている。
特に高速系のコースは急傾斜と極度のアイスバーンで、一度転倒すると激しく雪面に叩きつけられながら下へ下へと滑落していく。見るからに危険で恐ろしい。
しかし、選手たちは次から次へとコース上に設けられた旗門ギリギリを攻めながら猛スピードで急斜面を滑走していく。
“Unbelievable!”
この競技を初めて目の当たりにした私は強い衝撃を受けた。
そして障害をものともせず、恐怖心と闘いながら挑戦し続ける選手たちに敬意を込めて、私は精一杯シャッターを切った。
■カメラマンプロフィル
撮影:西村尚己
1969年、兵庫県生まれ。大阪大学大学院工学研究科修了。
人間味あふれるアスリートの姿に魅せられ、学生時代にスポーツ写真の世界と出会う。
大学卒業後は、国土交通省に勤務しながらアマチュアカメラマンとして活動するも、どうしてもプロの世界で挑
戦したいという想いが募り、2016年にアフロスポーツに転職。
現在は国内外のスポーツを精力的に撮影し、人間の情熱や鼓動、匂いなど五感で感じとれる作品づくりに励む。
2007年 APAアワード写真作品部門 奨励賞
2013年、2015年 写真新世紀 佳作 ほか
★インスタグラム★
https://www.instagram.com/naoki_nishimura.aflosport/
1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。
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