乃木坂46岩本蓮加「棒読みセリフは難しかったです(笑)」70歳差W主演・宝田明も絶賛した映画初挑戦
乃木坂46での自分と女優としての自分
女優として歩き始めた岩本。乃木坂46の活動とはまた異なるやりがいを感じている様子。
「乃木坂46のメンバーでいる自分は、素に近い自分でいられるというか、自分らしく楽しむことが第一にあるのですが、女優としての仕事は、自分の中にあるストイックさや真面目さを前面に引き出せる場だと感じています。もちろん乃木坂46の活動のときもストイックに努力していますが、大変なことやつらいこともメンバーと一緒だから乗り越えられるという場面が多いんです。でも女優として臨む現場には、周りにメンバーもいませんし常に自分で考えて頑張らないといけないので、自分と向き合いながら、やるべきことを突き詰めていくという経験ができました」
ファンも“女優・岩本蓮加”の姿に心を動かされるはず。
「自分ではまだまだだなと思いますが、それでも、ファンの方には新鮮なイメージで見ていただけると思いますし、新しい自分を知って頂けるのが楽しみですね。本作を機に女優としての自分にも興味を持っていただけたらうれしいです」
いち早く本作を見たメンバーたちからも大絶賛だったという。
「すごく感動したという感想をもらって、本当にうれしかったです。“泣いたー!”と言ってくれたメンバーもいました。初めて、自分の映画を見た作品関係者以外の人からの感想だったので、うれしくもあり、照れくさくもありました(笑)。お芝居を通して、咲の気持ちや作品に込めた思いがちゃんと伝わっているのを感じて、女優としての仕事ってこういうことなんだと実感した気がします」
撮影時は現役高校生として等身大の女子高生を演じた岩本。この春、高校を卒業し、今後はさらなる活躍に期待がかかる。
「これまでは、乃木坂46のメンバーとして目の前の活動を全力で頑張るということに集中していましたが、だんだん周りのことや少し先のことも見えるようになり、自分がこの先どうするべきか考えられるようになってきたと思います。そんなタイミングで今回のお話を頂いて、本当に素晴らしい機会を頂いたと思っています」
敬三とともに人々の終活を手伝ううちに、さまざまな人との出会いと別れを経験し、少し成長した咲は再び前を向いて歩き始めていく。
「私も、咲のように立ち止まってしまっていた時期があったので、咲の苦しい気持ちに共感する部分も多かったです。宝田さんが演じた敬三さんや、いろいろな人たちと出会い、前を向いて歩き始める咲がすごくまぶしく見えました。人生ってすごく壮大なイメージですけど、ちょっとした出会いやきっかけで自分と向き合って、また前を向くことができるんだなと、私自身この作品を通して感じました。本作を見てくださった方も前向きな気持ちになって、それぞれの夢や希望を見つけてくれたらうれしいですし、私もまた新たな夢を見つけていきたいです」
出会いと別れの季節に、人々のさまざまな思いを彩る桜の花。映画の最後を彩る感動的なクライマックスの撮影も、かけがえのない思い出となった。
「宝田さんや吉行和子さん、土居志央梨さんたちと一緒の場面だったのですが、撮影も終盤で、すっかり仲良くなっていたので、みんなとても温かい表情でした。私も、撮影が終わってしまうさみしさと温かい気持ちに包まれて、なんて尊い時間だろうと思っていました」
人生に寄り添ってくれる作品になりました、と晴れやかな笑顔を見せた岩本。この先、彼女自身の女優人生にもずっと寄り添ってくれる作品となったに違いない。
(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)
※本取材は3月10日に行われました。この取材の4日後、3月14日に宝田さんが亡くなられました。謹んでご冥福をお祈りいたします