経産省・浅野氏「変な校則は子どもたちを育むいい題材」SDGs学習カリキュラムを語る
続いて浅野氏が、経済産業省の「未来の教室」実証事業について「エシカルハッカー発掘・育成プロジェクト」「STEAMライブラリー」といった取り組みを紹介。
全国の中学・高校の校則やルールを生徒・先生・保護者らと見直す「みんなのルールメイキング」プロジェクトでは「ある高校に髪型の“ツーブロック禁止”という校則があって、生徒たちは廃止したいけれど、先生が“ツーブロックは就職に不利なんじゃないか”という。本当かどうか地元の企業に聞いたら誰も気にしていなかった」と事例を語り「SDGsで正義の話が全面に出てくると、必ず対立とジレンマが生じる。変な校則は、そういったことを横断して議論できる子どもたちを育むいい題材」とまとめた。
ルワンダ共和国のEdTech教育アドバイザーに就任した小宮山氏は「映画『ホテル・ルワンダ』でご存知の方が多いかもしれませんが、ルワンダでは約30年前に民族抗争の末に100万人以上が虐殺され、30年後の今はICT教育で非常に勢いのある国になっている」と紹介。
ルワンダの教育事業に従事したことで「知らないうちにSDGsに尽力していた」という小宮山氏に、朝日氏は「研究室にも寝るよりも食べるよりも実験が大好きという学生がいるが、そういう人材が実は世界を動かすような可能性を秘めている」、浅野氏も「私も寝食を忘れて政策を考えて実現するのが大好きで、そこは研究者と一緒。何か尖った成果を生み出せるタイミングって、そこにとんでもない時間をかけている」と同調した。
教育におけるSDGsの可能性について、松本氏は「(答えのない)課題解決の経験を繰り返すことによる思考力は身体に染み込んでいくもの」、小宮山氏は「SDGsを通して失敗の機会を増やしていくことが、自己肯定感や新しいことをやってみようという気持ちにつながる」、浅野氏は「ある分野で自分が培ってきたものが生きたことで、他にも何かあるかもしれないという可能性が出てくる」、奥田さんは「正解がないと居心地が悪いが、ここでは何かひとつの解を自分で作り上げたということが大事なポイント」とそれぞれ結論づけた。