広がり見せるフェムテック・フェムケア業界の今
ベーシックなデリケートゾーンケア用品も充実
意味合いは広くなりつつあるフェムケアだが、もちろんもともと注目されていたデリケートゾーンケアや生理ケア用品も、どんどん増えてきている。
今最も注目されているものといえば、生理時の吸水サニタリーショーツではないだろうか。GUを展開するファーストリテイリングが「トリプルガードショーツ」として低価格で商品を提供し始めたことで一気に注目が集まり、今はドラッグストアなどでも気軽に購入できる、生理用品の新たな選択肢となった。
生理用品の選択肢は数年前と比べるとかなり増えている、と言っても過言ではない。吸水ショーツのみならず、肌に優しい布ナプキンや腟内に挿入して使う月経カップなど。昔からあったものの使っている人が少なかった製品も、誰でも手軽に購入しやすい環境が整ってきた。2021年には、ソフィが発売した水に流せる置型ナプキン「シンクロフィット」も大きな話題を呼び、一時期は売り場から姿を消すほどの人気を獲得した。生理用品ひとつ取っても、女性の働き方やライフスタイルに合わせて、商品を選択できるようになっているのだ。
またデリケートゾーンケアに関する商品も、ここ数年で一気に商品が増えてきた。そもそもデリケートゾーンは肌の他の場所とは違う衛生環境にあるため、個別のケアが必須であるという考えも広まってきている。専用のソープや保湿クリームを使うことで、生理時の肌荒れや日常の体臭を予防することができる。
デリケートゾーンケアには、腟内環境のケアも含まれる。今年3月には、インナービューティブランド「エステプロ・ラボ」が管理衛生医療機器腟洗浄器「フェムクリア(Fem Clear)」を発売。腟内のPh値を整えることで、デリケートゾーンの環境を保ち、ニオイなどを抑制することができる。これまで商品も情報も少なく、なかなか改善の方法が知られていなかったデリケートゾーンの悩みを解決する選択肢も増えてきているのだ。