海外ブランドも注目。時代に合わせ進化する伝統工芸「こぎん刺し」の世界
東京都美術館で現在、アート展「第46回悠美会国際美術展」が開催されている。絵画、彫刻、陶芸、手芸、3Dアートなど、国内外のさまざまなジャンルの作品を展示する同展で、ひときわ来場者の目を惹きつけているのが、日本の伝統工芸「こぎん刺し」だ。
東京都美術館で開催中のアート展「第46回悠美会国際美術展」
こぎん刺しとは、江戸時代の津軽地方が発祥の技法で、布一面に施された幾何学模様の刺繍が特徴。雪国の厳しい寒さに耐えるため、当時貴重だった布の補強手段として、耐久性と保温性を高めるために使用したのが始まりとされる。
同展では、壁掛けのタペストリーを中心に、バッグや半纏(はんてん)、コースターなど、約100点のこぎん刺しを展示。複数の幾何学模様を組み合わせた伝統的な古典柄のほか、風景画をアレンジしたものや、ゴッホなど西洋の絵画を模したもの、昨年開催された東京五輪・パラリンピックをモチーフにした高校生の作品など、顔ぶれもさまざまだ。
伝統の幾何学模様から風景、絵画まで、こぎん刺しの作品は多岐に渡る。