伊藤健太郎「この期に及んで隠すことは何もない」映画復帰作の舞台挨拶で感無量

 

 阪本監督は、本作のオファーを受けたときについて「まず伊藤くんのことをよく知らなかったので本人に会わせてほしい、とお願いしました。オレの話を鼻くそほじりながら聞いたりしたら即お断りしたんですが」と笑いを交えつつ「初対面の、40歳も年上の人間の、どんな質問にも正直に答えてくれた。それで信頼して、僕の恥の話もし、仲間としてやりましょうとなった」と振り返った。

 そのときのことを伊藤も「自分がどういう環境で育って、どんな友達がいてという細かい話をさせていただいた。なんで初めて会う方にこんなに自分のことを話せるんだろうな、と。でもこの期に及んで自分に隠すことは何もないので」と振り返り、クランクイン初日は「正直、めちゃくちゃ怖かったです。約1年、お休みさせていただいていたので。でも現場に入ったら阪本組の温かい環境で、余計な不安は初日で取り除くことが出来ました」と話した。

 そんな伊藤の魅力を聞かれた阪本監督は「見てもらえれば分かりますよ。スクリーンの似合う子」と話し「冒頭で感慨深いと言ったのは、オファーを受けてから、伊藤くんを待っている人たちの前にお連れするのが僕の仕事でもあったので…」と、作品完成を迎え万感の思いをにじませた。

 最後に伊藤は「映画復帰という形で本作に携わらせていただいて、いろいろなご意見、賛否あることは覚悟しています。公開するにあたって怖い部分もありますが、あのとき自分が持てるものすべてを注いだ作品です」と胸を張り「自分が今ここに立てているのは、この作品に携わった方々や家族、友人、そして見に来てくださる方々のおかげ。すべての人に感謝します」と締めくくった。

『冬薔薇』は6月3日より公開。