池上彰、ハンガリーとの縁で「タダ働きしてます」ルービックキューブ発明者自伝発売イベント

私物のジョージ・ポリア『いかにして問題をとくか』を披露しながら解説する池上

 内容についても「いろんなところが刺さってくるんです。〈わたしたちの生活のほぼ全ての側面において、最も重要で難しい課題は、適切な問いを見つけることなのかもしれない〉。我田引水ですが“いい質問ですねぇ”というのは大事だということ」「突然ジョージ・ポリアの名著『いかにして問題をとくか』が出てくるのですが、アメリカの大学教授だからアメリカ人だと思い込んでいたら、この人も実はハンガリー人なんですよね。大使からハンガリーはいろんな知的な人材が出てくるというお話もありましたが本当にその通り」など、引用を交えながら解説した。

 コロナ禍のおうち時間により、日本では第3次ブームを迎えたというルービックキューブ。

 池上も「40年前は意地になってやっていたけど、今、再挑戦してみようかなという気になりますし、頭と手を使うというのは老化防止にいいのかなと(笑)。むしろ高齢化社会の中でこれからは高齢者の購入が期待できるかもしれません」と予想した。

 最後に池上は〈キューブの謎の一つが形なら、もう一つの謎は3×3×3の特性だ〉から始まる一連の文章を挙げ「実は私、いろんなことを分かりやすく説明するのは“3がマジックワードだ”とよく言うんです。“大事なことは3つあります”と言うと皆さん聞いてくれる。“大事なことは3つです”と言っちゃってから、無理やりでも3つにしようと考えることによって、思考が整理されて分かりやすくなるんですよね。

 3が特別な数字なんだというのを見て、我が意を得たりという思いがあります。ルービックキューブの秘密が3×3×3というのは、ひとつのヒットしたキーワードになるのかなと思いました」とまとめた。

 会場では2011年片手部門世界チャンピオンの伏見有史さん、2009年4×4×4部門世界チャンピオンの大村周平さんの実演があり、伏見さんは左手のみで13秒40、大村さんは初挑戦の新商品「ルービックキューブインポッシブル」を14秒03で完成させて取材陣を驚かせた。

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