ブロードウェイミュージカル『RENT』開幕 変わらぬ「大切なのは、今」のメッセージ
ブロードウェイミュージカル『RENT』の来日公演が18日、渋谷の東急シアターオーブで初日を迎えた。新型コロナウイルスの感染拡大による2度の中止を経て実現した、待望の公演だ。
オペラ『ラ・ボエーム』を下敷きに、孤独やAIDS危機に翻弄されながらも、懸命に生きる若者たちのストーリー。ニューヨークのイースト・ヴィレッジが舞台で、1989年のクリスマスから翌年のクリスマスまでの1年間を描いており、荒廃したアパートには映像作家志望のマーク、シンガーソングライターを目指すロジャー、ナイトクラブダンサーのミミら、自身の夢や希望、孤独、病への恐怖を胸に暮らしている。彼らは家賃(レント)も払えないぐらい貧しくて……。
貧困、人種差別、麻薬中毒、同性愛、HIVウイルスなど、当時行き交ったフレーズや今もなお問題であり続けている問題などが組み込まれている作品。1989年当時の社会や空気が反映されているために時代を感じる部分もあるが、「今日というこの日しか(ない)」のフレーズや、1年をどう数えるかを問いかけなど、過去ではなく今、今の大切さを伝えるメッセージ、友情、愛、夢など変わらないメッセージも胸を衝く。
「SEASONS OF LOVE」を筆頭にロックテイストのミュージカルチューンに心を揺さぶられたり、突き動かされたり。
29日まで同所で。全16回。