河瀨直美監督「これからカンヌへ出発」オリンピック公式映画完成披露に登壇し『SIDE:B』の未完成を告白

河瀨監督と橋本聖子氏(東京2020オリンピック組織委員会会長)

 河瀨監督はこのイベント後、現在フランス・カンヌで開催中の第75回カンヌ国際映画祭に向かうとのこと。「おかげさまで最初の作品からカンヌにご縁を頂きまして。実はオリンピック公式映画がカンヌで上映されるのは1972年以来だそうです」と明かし「カンヌの最高責任者の方に“この作品は未来永劫、語り継がれるべき作品”と言っていただきました」と感激。

 さらに「私がこの役割を引き受けさせていただいたとき、担当の方から、IOCから、これまでとは少し違う市川崑の時代に戻りたいと言われた、と。つまりそれは作家性ということ。私にしか撮れないものを求められているのだと思った時、この役割を全うしようと思いました。この3年弱、他の映画のことは一切考えていませんでした」と振り返ったが、ふいに「実は告白すると、まだ『SIDE:B』が出来ていません。出来ていたら『SIDE:B』もカンヌに持って行きたかった(笑)」と明かしつつ「レッドカーペットを歩いた先に、わが国…と言ってしまいますが、この国にしかできなかったオリンピック。コロナ禍で、無観客で、それでもほとばしるアスリートの汗を届けたかった。その形は絶対に歴史が証明してくれると思って、世界に届けに行きたい」と胸を張った。

 この日は橋本聖子氏(東京2020オリンピック組織委員会会長)、山下泰裕氏(日本オリンピック委員会会長)らも来場し、河瀨監督が迎えた。

『東京2020オリンピック SIDE:A』は6月3日公開。『東京2020オリンピック SIDE:B』は6月24日公開。