佐藤琢磨、インディ500前にダイバーシティの重要性語る「デイル・コインは一番国際色豊か」
対する佐藤も「基本は気持ち」と同調しつつ「モータースポーツの大きな魅力として道具を使うという点があります。テクノロジーの部分にメカニックがいて、エンジニアがいて、自分がドライバーとして能力を発揮するためには根本的に速い車を作らなければいけない。いろんな人たちの思いと力がひとつになって、レースでトップに立った時の達成感は本当にかけがえのないもの」と明かした。
そのうえで「限られた時間と環境の中で成功することはものすごく難しい。その力を養うためには本当にたくさんの経験を積まないといけませんし、さまざまな人種の人と知らない世界でパフォーマンスできるよう自分の能力を引き上げていかなければいけない。自分が現役で活動していく中でひとつでも多くのことを伝えていけたらと思いますし、テクノロジーとスポーツの融合であるモータースポーツの魅力を一人でも多くの方に楽しんでいただきたい」と力を込める。
さらに佐藤は、世界で戦ううえで欠かせないダイバーシティについて「デイル・コイン・レーシングは、インディカー・シリーズの中では最も小さなチームですが一番国際色豊か」といい「今シーズン第2戦のレースで、僕たちのチームは2/1000秒差で予選3位になったのですが、それは一つひとつのディテールを見逃さないという僕たちの考え方と、さまざまな国のスタッフたちが少しでも自分たちの限界を突破するためにありとあらゆる方向からチャレンジしてきた結果。多様性というのは大きな可能性を広げてくれますし、それがパフォーマンスにつながることを感じられるととても達成感が高い」と述べた。
多様な人材同士でぶつかることは? という質問に「言葉というのはひとつの道具であり伝える手段だけど、僕の走り方、アプローチの仕方もコミュニケーションのひとつだと思っているんです。そういう意味で相手をリスペクトすることはすごく大事で、今までの経験上“そんなことないと思うけどな”ということでも、彼らには彼らのやり方があるわけでまず先にそれをやってみる。結果がよければ自分の経験になりますし、うまくいかなかった場合は“別のやり方はどうなのか”と視点を変えてやってみる。そうやって一つひとつ解決して進んでいくと確実なスピードとタイム差に現れてくる」と佐藤。
佐瀬氏も「我々が大切にしている5つの価値観の中に“Take care of each other”というのがありますが、お互いがプロフェッショナル同士としてまずは認め合うこと。人間同士の信頼関係、尊敬し合う関係性が作れているかどうかは組織力を決める大前提だと思いますし、それはモータースポーツの世界でもビジネスにおいても変わらないのではないでしょうか」と頷いた。
最後に佐藤は「この後すぐにインディ500の決勝が控えています。レースなのでどうなるか分かりませんが、自分たちにできうる最大限の準備と、3勝目を目指して何が必要か分かっているつもりですし、それを一つひとつ実現させるべく全力で戦っていきたい」と善戦を誓った。
同社はサーキットで取れるあらゆるデータを組み合わせ、アナリティクスやAI、クラウドなどを駆使してよりタイムリーかつ密度が濃い分析ができる技術を提供し、佐藤のレースをサポートする。
「Deloitte Digital Week 2022」は「Connect・Empower・Beyond -デジタルで共・感・動を創る5日間」をテーマに、今日から5月27日(金)13~18時まで全28セッションを連日ライブ配信。参加には事前登録( https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/technology/articles/dd/ddw-2022.html )が必要で、参加費は無料となる。