倍賞千恵子「生きることとか死ぬこととか考えた時期あった」カンヌ凱旋に感激の生歌披露
日本で受賞の一報を聞いた賠償は「監督や、寒い中で撮影したスタッフみんなの顔が浮かんできました。本当にうれしいな、と」と笑顔を見せ「監督はまだお若いから…千絵ちゃん…じゃない、私も“ちえちゃん”と呼ばれたりするんですけど、年代が違うね(笑)。これからどんどんいい映画を作ってくれるんだろうな、と」と早川監督に更なる期待。映画祭に現地参加した磯村も「現場でスタッフや俳優に親身に温かく接する早川監督の姿勢が、こういうことにつながったんだなと思いました」と監督をたたえた。
オファーを受けた当初は、役を受けるか迷っていたという倍賞。「悩んだんですけど、監督とお会いして話を聞いてみよう、と。私も、生きることとか死ぬこととかを考えた時期があって。お話を聞いていくうちに、絶対に受けさせていただきたいと思いました」と早川監督の情熱に打たれたことを明かすと、早川監督も「(ミチ役を)倍賞さんにやっていただいたからこの映画ができた」と感謝のまなざし。
倍賞と磯村から、受賞を祝う花束を渡された早川監督は「たくさん余白を残している映画です。見るまま自由に感じていただければ」。磯村は「考えることがとても重要だと思います。いま日本に起きている社会の問題に関心を持つきっかけとなってくれれば」。最後に賠償は「2人に全部言われちゃったので…歌を歌います」と言うと、往年の名曲『林檎の木の下で』の一節をアカペラで披露。「続きは映画の中で歌っていますので見てください」と茶目っ気たっぷりに締めくくった。
映画『PLAN 75』は6月17日より公開。