ココリコ田中「ホッキョクグマの手紙、僕が書きますよ」動物好きの背景に救われた過去

 お笑いコンビ「ココリコ」の田中直樹が7日、都内で行われた『エシカル白書 2022-2023』(山川出版社)出版記念イベントに登場した。

『エシカル白書 2022-2023』出版記念イベントに登場した田中直樹(右)、一般社団法人エシカル協会 代表理事の末吉里花氏

 田中は「エシカルな社会を創る」スペシャル対談として、一般社団法人エシカル協会 代表理事の末吉里花氏とトーク。

 持続可能な漁業の普及に取り組む非営利団体「MSC(海洋管理協議会)」のアンバサダーを務める田中は、いち早く読んだ同書の内容を「いろんなジャンルの方が文章を寄せていらっしゃるじゃないですか。いろいろな角度からいろいろな人の意見が入っているのがとても素晴らしい」と絶賛。末吉氏が300ページ近い内容を読み込んでいることに驚くと「読まないで現場にくるような仕事の仕方はしないです」とキッパリ。

 動物好きの田中は、日頃感じる社会課題について「子どもさんに向けて生き物を通したイベントをさせていただくことが多いのですが、そこに来てくれる小学生などから、ここ何年かで生き物たちが今、地球上で苦しい状況に置かれているという意見を聞く頻度が多くなりました。子どもたちもそういった環境を意識しているんだなと強く感じます」と語る。

 環境問題を伝える際に「子どもたちはどこにフックがあるか分からないので、受け取ってもらえるようなボールをたくさん投げることは意識している」という田中。

「とはいえ、僕が投げられるボールは生き物しかなくて、ちょっとした変化しか届けられないかもしれないですけど……」と前置きしたうえで、動物に思いを寄せる理由を「若手でなかなか思い通りにいかない時、生き物にだいぶ救われたんです。いろんなことで頭がこんがらがった時期に、他の生き物たちは食べて、寝て、交尾や交接のタイミングを待つという本当にシンプルな生き方をしている。自分も他の生き物と同じようにまず食べて、寝ているだけでOKじゃないかと思えたら、少しだけ気持ちが楽になった」と吐露した。

「生き物を通して地球を知ってもらうことくらいしかできない」という田中は「たとえば、ホッキョクグマの数が少なくなっていることはみんな知っているじゃないですか。でも、南極のペンギンたちは食べ物が増えているんですよ。ホッキョクグマは氷がないと狩場がなくなり、エサが取れないから数が減る。ところが、氷がなくなって太陽の光が海に注がれると植物性プランクトンが増え、動物性プランクトンも増えるのでペンギンのエサとなるオキアミも増えるんです。じゃあペンギンたちがウハウハかというと、地球全体で考えるとそうだとは言い切れない」と熱弁を振るう。

 さらに田中は「自分たちが行動を起こしたら“こういう結果が生まれて、こうやって喜んでくれている人がいる”という、自分の行動が環境の変化につながることをもっと知れたらいいなと思うんですよね」と提案。

「自分たちが地球の生き物を守ろうとして、ホッキョクグマから手紙が来たらうれしくないですか? ホッキョクグマは書けないかもしれないけど、気持ちを代弁して僕が書きますよ。そんなにずれないような内容にします」と“ホッキョクグマの代弁者”に立候補した。

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