野村周平「自分を貫きたい」の言葉に込められた熱さとまっすぐさ…車への情熱にドリキン土屋圭市も太鼓判
「こういうことを言うから“やんちゃ”と思われるのか(笑)」
レーサー役の俳優たちは実際にドリフトの練習にも挑戦。なんと野村は“ドリキン”土屋の前で軽々とドリフトを成功させたとか。
「最初の練習で土屋さんから“あ、大丈夫だね”と言われただけでした(笑)。劇中のレースシーンや、紘一が上達してからのシーンは当然プロのドライバーの方の運転ですが、実際に僕が自分で運転しているシーンもけっこうあるんです。港での練習初期とか、8の字を描いて走る練習シーンも、実は僕が実際に運転しています」
美しく8の字を描くマシンを操っていたのが、なんと野村本人だったとは。では逆に難しかった撮影は?
「eスポーツのシーンです(笑)。僕の場合は、車好きだけどeゲームはやったことなかったので紘一とは真逆。でも“eスポーツのチャンピオンだからリアルドリフトもできるはず”と言われたときの紘一の気持ちはよく分かります(笑)。僕だって“車好きなんだから車のゲームも上手いだろう”なんて言われたら、ええっ!?ってなりますよ。今回、実際に『グランツーリスモ』の練習もさせていただいたんですが、eスポーツのプロのレベルって本当にすごくて、近づける気がまったくしない(笑)。それに、最近のシミュレーターは本当に精巧で、僕の場合、練習していると無性にドライブしたくなって、リアルな車に乗りに行ってしまうんです(笑)」
撮影現場では、チームを率いる元チャンピオン武藤亮介役・陣内孝則とも交流。
「陣内さんの“やんちゃ”な話をたくさん伺いました(笑)。陣内さんが“昔は、無茶苦茶なことやっていたけど、今はそういう時代じゃないからね…”とおっしゃっていました(笑)。お話を伺っていると、昭和のその時代って無茶苦茶なこともあったんだろうけど、本当に生き生きして見えるというか。ちょっとうらやましくも感じました。生まれる時代を間違えたかなあ(笑)」
確かに俳優・野村周平は、80年代の硬派俳優さながらの“負けん気”と“熱さ”を感じられる、現代ではユニークな存在かもしれない。
「別に僕は全然“やんちゃ”ではないですよ。共演者の方から“実際に会うとぜんぜん怖くないですね”と言われたこともあります(笑)。ただ僕は、陣内さんたちの世代の先輩のような、自分をちゃんと持っている、かっこいい俳優になりたい。別に、俳優はこうあるべきみたいなことではなくて、ただ僕自身が野村周平として“自分を貫きたい”ってだけです。…こういうことを言うから、やんちゃと思われるのか(笑)」
ニューヨークでの留学経験を経て、ますます「自分は自分」と感じるようになったと言う。
「理由はシンプルで、ニューヨークで生活してみたいと思って行ったんです。街をいろいろ歩いて、いろいろな人と出会って、楽しかったですね。そんな中で、他人の目を気にするより自分をちゃんと見ることの大切さを改めて感じました。“人のことよりまず鏡を見ろ”と。あと、これはみんな言いますけど、やっぱり日本は安全だし清潔。ニューヨークの夜の地下鉄とか、本当にヤバいですから(笑)」
そしてもう一つ感じたのがアニメから食にいたるまでの“日本”人気。
「やっぱり日本のカルチャーって人気なんですよね。あと、日本車も本当に人気なので、日本生まれのドリフトを描いた本作も、日本はもちろん世界中の車ファン、ドリフトファンに楽しんでもらえる作品だと思います」
(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)
©2022アライブフーン製作委員会