伊藤健太郎「人って温かいなと思った」マネジャーも伴わず単身極寒の青森ロケ

 

 伊藤が演じた主人公・雄大はプロバスケ選手になる夢に挫折した青年。自身もバスケ選手を目指していた時期があるという伊藤は「もともとお芝居を本格的に始めるかどうかというとき、アメリカでバスケをしようという計画と同時進行だったので、主人公の気持ちが分かります」と役どころに共感。

 青森からの帰りの電車で雄大がおにぎりを食べるシーンについても「僕が、伊勢にいるお祖母ちゃんの家に行くと、帰りの新幹線で食べるようにとおにぎりを作ってくれるんです。それと同じシャケのおにぎりだったので、僕もお祖母ちゃんを思い出していました」と共感を語りつつ“お祖母ちゃん子”であることを明かした。

 物語冒頭の青森行きの電車と、ラストの帰りの電車での表情の演じ分けについて聞かれると「目の開き具合ですかね。物理的なことというより心の。行きのときは目線が基本、下に向いているんですが、最後のほうは目線も上がって…」と説明。千村監督は「あれ、同じ日に撮っているんですよ。すごいね」と伊藤の演技力に感嘆。

 この日は、視聴者からの質問も受け付け。「(伊藤の)監督作が見てみたい」というコメントが寄せられると伊藤は「監督ってすごい仕事だなといつも思う。今は到底できない仕事だと分かっていますが、いつかできたらいいなとは思います」。すると千村監督は「ビジョンがあるならショートフィルムを撮ってみたら楽しいかも。でも僕は伊藤健太郎の芝居をもっと見たいです!」。

 そんな監督の言葉にうれしそうな笑顔を見せた伊藤。「本作は、手伝ってくださった、たくさんの方々の温かさも伝わる作品になっていると思います。僕も、恵まれているな、人って温かいなと、寒い場所でもあったのでよりそう感じました(笑)」。

 さらに伊藤は、企画から携わった本作の経験を経て「この感覚をすごく大事にしたいので、毎年1本、こういった作品を作りたいです」と抱負を語り、国際短編映画祭『SSFF & ASIA 2022』のグランプリ「ジョージ・ルーカス アワード」を「狙おうかな」と意欲を見せていた。

 トークイベントのもようは、6月30日まで配信サイトより視聴できる(有料)。

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