ホークスの恒例イベント「鷹の祭典」が6月27日からスタート。解説者の本間満氏が語るその魅力と今年のホークス

(撮影・蔦野裕)

注目の選手は牧原大成と渡邉陸

 やはり三軍、二軍の監督をやっていたというのが大きいですね。
「調子がいいから一軍に上がっていると思うんですが、その時に使わないといい状態をキープするのは難しいんです。そこは今年は、すごくいい方向に行っている気はします」

 選手からすると、一軍に上がったのにすぐに使ってくれないと「なんだよ!」と思ったりするものなんでしょうか?
「なんだよ、というか(笑)。“状態がいいから上げてくれたんですよね”とは思います(笑)。“チャンスがないから”とか言われると“じゃあ、なんで上げたの?”とは思います。やはりピッチャーの球って、見ていないと感覚がずれちゃうんです。なので、上げてから10日くらい経ってから“行け”って言われても、さすがにその感覚にはズレが生じちゃうので。でもそれでも結果を出さないと残れない。そのチャンスを生かさないと次がないんで“どんな状況でも結果を残さないと”という気持ちは常に持っていましたけど、なかなか簡単ではないと思います」

 今、注目している選手は誰ですか?
「今年はケガをする選手がすごく多いので、いろいろな選手にチャンスが回っている状況になっています。その中では僕は牧原大成選手に注目しています。藤本監督はジョーカー的な使い方を考えているようですが、多分やっている本人は“レギュラー取るぜ!”っていう思いでやっていると思います。僕は牧原選手にはいろいろなポジションで常に試合に出ているという状況になってほしいなと思っています。どこでも守れますし、どの打順でもこなせる。それくらいなんでもできるから使い勝手がいいということで、監督としてはジョーカーとして試合の終盤に使いたいんだと思うんですが、レギュラーで出場しながらいろいろなポジションを守っていろいろな打順を打つ。そういう新しい出場の仕方のできる選手になってほしいと思っています。あとはキャッチャーの渡邉陸選手。レギュラーの甲斐選手と特に打撃で勝負できるので、甲斐選手も守るだけではなく、打つほうももっと頑張らないと、という相乗効果になるのではないかと思っています」

 ジョーカーとか切り札という言葉はファンを燃えさせますが、選手からすると「いやいや、レギュラーにしてくれよ」なんですよね。
「絶対にそうですよ(笑)。どこでもいいからレギュラーとして出たいと思っていると思います。今年のようにレギュラー陣にケガが多い中では牧原選手は非常に大きな存在だと思います。どの球団も欲しいと思いますけど、こういう選手はなかなか出てこないと思います」