東山紀之「後輩たちのことはいつでも見守っています」“後輩愛”を感じるようになったのは「TOKIOから」

Amazon Originalドラマ『GAME OF SPY』 ©東映株式会社

「見ていてあげたい」東山紀之が陰ながら見守る存在とは

 今回、地上波ではできないようなアクションに、50代の限界を超えて挑みたいという思いがあったとか。

「そう言いつつ、実は僕自身はあまり年齢を考えたことがないんです。“老いる”ことと“年を重ねる”ことは少し違うと思っていますし。僕はずっと、常にその現場でベストを出すことをポリシーとしてきました。実際、19歳でデビューしたときから、あまり変わっていない感覚もあって。この勢いのまま行っちゃってもいいんじゃないかな、と(笑)」

 食事から運動まで、アスリート並みのルーティーンワークを普段から欠かさない。20代から続く習慣だという。

「僕はルーティーンをずっと守っているのが好きなタイプなので、それを苦だと思ったことが無いんです。むしろ守っているほうが自然体なので、毎日続けるほうが楽。アスリートの方たちと同じで、これも仕事ですから。ストレッチや運動、日々の食事を意識する…娘たちからも長生きしろと言われているので(笑)」

 自身がナビゲーターを務める長寿番組も学びの場となる。

「『ZONE』『バース・デイ』で多くの一流アスリートの方たちとお会いしてきましたが、学ぶことが本当に多いんです。長くアスリートを続けるために日ごろどんなことをしているか、ケガをしたときはどう対処しているか、心折れないためにはどう考えるか…。こんな方法があるのか、こんな考え方があるのかと驚きの連続で、いつも興味深くお話を伺っています」

 そのストイックさの一方で、方向音痴で語学が苦手、無計画で無鉄砲という、従来のスパイのイメージを覆す個性的な主人公・羽柴について「僕自身の素に近いんじゃないかな」と笑う。

「実際に方向音痴なほうですしね。家族でディズニーランドに行ってもスペース・マウンテンに行こうとしてビッグサンダー・マウンテンに向かってしまい、子どもたちに言われて気づくんです(笑)」

 本作を一緒に鑑賞すれば、スパイとして活躍する姿に、株が上がるのでは?

「娘たちは僕の作品にあまり興味を示さないので…。出演作を見ていても、すぐに“変えていい?”と言われるんです。きっと本作を見せようとしても『SPY×FAMILY』に変えられるんじゃないかな(笑)」

 人知れず人々の日常を守るスパイさながら、東山が陰ながら見守っている存在とは。

「後輩たちの活動は、なるべく見るようにしています。僕自身、刺激を受けますし、彼らから何か聞かれたときには応えられるようにしておきたいなという思いがあるので。こちらから声をかけることは、敢えてしないですけどね」

 なかなか近づきがたい大先輩に陰ながら見守ってもらえているというのは後輩たちにとっても頼もしいはず。

「でもけっこう、直接つながっているんですよ。そうやって作品を見に行ったりしていると縁が出来て、それが広がっていくんです。今度『刑事7人』に小瀧望(ジャニーズWEST)が出るんですけど、すると小瀧とつながっている誰かを交えて一緒に食事に行ったり。中島健人(Sexy Zone)と仲の良い重岡大毅(ジャニーズWEST)が我が家に遊びに来てくれたり。さらに若い世代とは一緒に作品をやれる機会はまだそんなにないですけど今後そういう機会もあると思いますし、見ていてあげたいなという気持ちはいつもあります」

 そんな深い後輩愛が自身の中に生まれてきたのは…。

「TOKIOからじゃないかな。年齢的にもそういう時期でしたし。やっぱり後輩がいて初めて先輩になれるわけですから。大切にしていきたいですね」

 先頭に立ち続ける東山の背中から多くを感じ取る後輩たちも多いはず。そんな東山が“ボロボロになって”演じた主人公の姿からスパイの美学がただよう、痛快なアクションエンターテインメント。
(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)