都医師会「第7波」に向け3回目接種が急務「超高齢化社会の日本独自のコロナ対策を」

 新型コロナウイルスの感染者数が急増し、感染拡大「第7波」が指摘される中、東京都医師会は12日に都内で拡大防止対策などを説明する定例記者会見を行った。

東京都医師会の尾﨑治夫会長

 冒頭で尾﨑治夫会長は「これから8月初旬にかけ、感染者数が5万5000人に激増するというデータも出ているが、感染者数の急増に対してどう対処していくのか、私ども東京都医師会の考えをお話しする」と述べた。

 医療提供体制について「東京都と連動してきちんと対応することが責務だと思っているが、すべてを今まで通りにという形は難しい。どういう方に入院していただき、どういう方に宿泊療養、自宅療養していただくかということを、今まで以上にメリハリを利かせて対応していく」と院内トリアージの実施に言及。

 ワクチン接種について「1~2回目接種から期間が空いた時、3回目接種が非常に効果的であるというデータはたくさん示されている。オミクロン株『BA.5』の抗体もできますし、20~30代の接種率を60~70%台まで持っていけば、若い方の感染がだいぶ落ち着いてくるのではないか。感染者数が激増するといわれる8月までまだ時間があり、3回目接種をしていただいた2週間後には抗体ができてくる」と説明。併せて、高齢者や持病を持つ人への4回目接種を進めていく意向と、政府に医療従事者や介護従事者の4回目接種へのGOサインを求めた。

 また、国産経口薬の緊急承認について「1日に5~6万人という感染者が出ると、現在の治療薬の提供体制で充実しているとは言えない。ある程度の安全性が確保できて有効性が分かってきた段階で、一度承認したうえで現場で実際の効果を確かめていくことが必要。ある程度効果があると思われる経口薬がそろえば、患者さんも安心して療養できるのではないか」と提言。

 抗原定性検査についても「PCR検査と比較検討する試験を行い、かなり信頼度が高くなっていると評価できる結果が出ている。不特定多数の人が集まる場面では抗原検査を活用し、陰性を確認した人同士が集まって社会活動を行える道筋を作ってもらったほうがいい。検査したうえで感染の可能性が低い人が社会活動を営むことは大切」と強調した。

 さらに「報道などで欧米では皆マスクを外しているし、ほとんど(社会生活に)制限がないという話もある」としたうえで「とはいえ、ヨーロッパやアメリカなどに比べ、日本は総人口の30%近くまで高齢化が進んでいる。コロナウイルスは高齢者にとって重症化しやすく怖い病気。日本のような超高齢化社会でどうやって高齢者を守り、重症化を防ぐかが亡くなる方を防いでいくための大きなポイント。高齢者が多い日本の中で今後どうやって新型コロナに対応していくか、独自の環境に応じた感染対策の方針をきちんと掲げていただきたい」と訴えた。

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